仁川学院と藤飯治平

藤飯治平

藤飯治平画伯は西宮市に生まれました。第六高等学校を経て京都大学に進学し、卒業と同時に画家としての道を歩み始めました。そして、画業のかたわら芸術教育にも力を注ぎました。仁川学院との出会いは、画伯がパリ大学美術考古学研究所への留学から帰国した後のこと。17年にわたって小学校の美術科教師を務めていただきました。熱意ある絵画指導を通して、子どもたちに芸術の心を育まれた先生でした。また、藤飯画伯は旅する画家でもありました。旧ソ連からはじまり、ヨーロッパ、アジアへと毎年のように取材旅行に出かけました。旅先で描かれたスケッチからは、数多くの名作が生まれました。
仁川学院の図書館内部の北壁には「バベルの塔」を中心にした藤飯画伯の作品3点が飾られています。「バベルの塔」は画伯が中東への取材旅行で得た旧約聖書のイメージをモチーフに描かれた連作で、画伯の快心の一作と言われています。 2005年6月16日。藤飯画伯は76年の生涯を閉じられました。最後まで活動の礎とされていたアトリエ兼自宅には、数百点の作品と数多くのスケッチブックが遺されました。それを、画伯がかつて17年間にわたって在籍された地元の学校というご縁で、仁川学院が引き継がせていただきました。
これらの貴重な遺産を一人でも多くの人と共有し、藤飯画伯の魂に触れるひとときを提供したいという思いから生まれたのが、この「藤飯治平記念館」です。


■仁川学院ラーニングセンターに展示されてる藤飯治平の代表遺作

左より「ソドムの町」1977年、「バベルの塔」1985年、「墟都の窓」1975年

ソドムの町 バベルの塔 墟都の窓

■ 藤飯治平 プロフィール

1928年 10月兵庫県西宮市に生まれる,第六高等学校卒業、京都大学経済学部卒業
1967年 第一回個展開催(大阪)、パリ大学美術考古研究所留学
旧ソ連・中央アジア・西ヨーロッパへ取材旅行
1971年 安井賞候補入選(~1978年まで連続入選)
石版画集「地中海」刊行、スペイン・イタリア、ギリシャ、南フランス、イラン、イギリス、イスラエルへ取材旅行
1986年 石版画集「城のある街」刊行、イタリアへ取材旅行
1988年 ローマへ取材旅行
1993年 南フランス、パリ、イタリアへ取材旅行、国際コンテンポラリーアートフェスティバル出展
2001年 ベルギーへ取材旅行
2004年 フィレンツェ、マルタへ取材旅行
2005年 北京、フィレンツェ、九州阿蘇へ取材旅行。 6月 76歳の生涯を閉じる。

上記画業とあわせ、園田学園、仁川学院、兵庫教育大学にて教鞭を執る

園田学園講師、仁川学院講師、兵庫教育大学教授、日本美術家連盟会員、宝塚美術協会会員、
NHK文化センター講師、宝塚ロータリークラブ会員