教育の特色

神と人と大自然
あるべき関わりを伝える建学の精神
「和と善」

人として生きる道を示し、人格の完成をめざします

仁川学院の経営母体は、カトリック・コンベンツアル聖フランシスコ修道会です。この修道会の創立者であるアッシジの聖フランシスコは、重い皮膚病を患った人を抱擁した時に深い喜びを感じ、神から与えられた自分の使命を見出しました。それからは、動物や草花、太陽や火、風などの大自然の全ての物を「兄弟姉妹よ」と呼びかけて愛しました。建学の精神である「和と善(Pax et Bonum)」は、聖フランシスコが全ての人に向けた挨拶の言葉です。人間が持っている姿や力、功績などは、自分で作り上げて所有しているのではなく、全て、神からの贈り物です。感謝とともに、人となごみ、仲良くする「和」の心で、神から自分に贈られた「善」を人々と分かち合うことに本当の喜びがあります。連綿と受け継がれたその教えを聖マキシミリアノ・マリア・コルベ神父は、身をもって実践し、ナチスドイツ軍が造ったアウシュヴィッツ強制収容所で殉教しました。

「和と善」は、天の神と地上の人々という縦横の関係を軸に考えることができます。縦は言語を超えた根源的な存在である神と人間、天と地を「宗(つな)ぐ」こと。横は世界中の異なる国籍・文化を持つ隣人たち、そして、大自然と私たちが「際(まじ)わる」こと。仁川学院では、この「宗ぐ」「際わる」を意識しながら、人格(知性と自由意志を備えた独立した存在)の完成をめざします。

聖フランシスコ

聖フランシスコ
(1181ごろ – 1226)

人間の尊厳を学び、開かれた心を育みます
聖コルベの生き方を深く心に刻んで

カトリック・コンベンツアル聖フランシスコ修道会の日本での創立者である、聖マキシミリアノ・マリア・コルベ神父は、1930年4月24日に来日し、長崎に聖母の騎士修道院 を建てました。1936年、祖国ポーランドに帰国し、1941年、ナチスドイツのアウシュヴィッツ強制収容所に収容され、見せしめとして餓死刑の宣告を受けた一人の若い兵士の身代わりとなり、同年8月14日に地下の監房で亡くなりました。仁川学院の中心に建つコルベ講堂正面に聖コルベ神父の銅像があります。それは、餓死刑囚として死を迎える瞬間、拘束された両手を天高くかざして、自分を殺そうとしている兵士たちを祝福しながら倒れる姿です。仁川学院はカトリックミッションスクールですから、キリストの隣人愛を教えます。教育が目的としている「完成した人格」のモデルはキリストですが、仁川学院は、生徒たちを聖コルベのように隣人愛を生きる人に育てたいと思い教育活動を行っています。また、聖コルベが愛していた神の母・けがれなき聖母マリアへの愛も伝えたいと思っています。生徒たちが親になった時、それぞれの子どもたちを聖母マリアのように深く愛する人になって欲しいと願っています。

聖コルベ

聖コルベ
(1894 – 1941)