たくさんの経験を糧に、力強く生きる子どもに。
仁川学院小学校の各教室には、十字架とマリア像が置かれています。そして、子どもたちの1日はお祈りに始まり、お祈りに終わります。
6歳から12歳までという小学校の6年間。心身が著しく成長し、人間としての基礎が作られる大切な時期を、子どもたちがこのような祈りの環境の中で過ごすことに、大変大きな意義があると私は思っています。
子どもたちは日々のお祈りを通して、やがて見えない神様の存在を意識するようになります。それは自分が神様に愛される大切な存在であると知ることにつながります。そして、そのことに気づいた子どもたちは、まわりにいる人々はもちろん動物や草花などのすべてを、自分と同様にかけがえのない存在として大切にすることができるようになるのです。
また、祈りの空間は子どもたちの中に「いつも神様が見ている」という意識を育みます。それは人が見ていなくてもちゃんとやるという自律自制の力へと発展していくはずです。
子どもたちが成長していくためには、多くの失敗や痛みを含めたさまざまな経験が必要です。一生懸命に走れば、時には転んでしまうこともあります。わたしたちがしなければならないことは、行く手にある障害物をすべて取り除いて転ばないようにすることではなく、子どもたちにいつも寄りそって、転んだ時も自分の力でしっかりと立ち上がれるように、そして、痛みの経験をも糧としてより力強く走り出せるように、支え応援することだと考えています。
校長 永尾 稔神父