国際交流
長時間の班別自由研修でも事故やトラブル等はなく、充実した研修を行うことが出来ました。生徒たちの口から「ボンジョルノ(こんにちは)」や「グラーツィェ(ありがとう)」が恥ずかしがらずにすぐに出てくるあたり、イタリアにも慣れてきたと感じます。
本日のスケジュールは、以下のようなものでした。
午前:ウフィッツィ美術館、サンタクローチェ教会、ドゥオーモ、アカデミア美術館
午後:班別研修(約6時間)
待ちに待ったフィレンツェ研修、午前中はあいにくの雨模様でしたが、肌寒くなく過ごしやすい気温でした。
朝食を済ませると、最初の目的地である『ウフィッツィ美術館』に向かいました。
ルネッサンス時代の巨匠であるボッティチェッリ、レオナルド・ダ・ヴィンチ、ミケランジェロ、ラファエロなどの作品が数多く展示されている、近代ヨーロッパで最も歴史のある美術館です。美術の教科書や事前学習での写真でしか目にしたことがない本物の美術作品がたくさんあります。美術作品の時代背景や、作品と建築物の関係、作品に込められたカトリック的視点などをガイドさんから聞いて生徒は興味津々でした。
次に『サンタクローチェ教会』で研修をしました。ここはフランシスコ会において世界最大で大切な教会です。この教会にはガリレオ・ガリレイ、ミケランジェロ、ダンテ、マキャヴェリなど、フィレンツェの著名人のが多いことで知られています。生徒達は、ガイドさんによる彼らの生涯や功績に関する説明を静かに聞き入っていました。生徒たちもローマやヴァチカンとはまた違った教会の拝観を通し仁川学院生としての自覚がさらに深まったようです。
さらに、「花の聖母教会」と呼ばれる『ドゥオーモ(正式名称はサンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂)』を拝観しました。外装は白、薄桃色、緑色といった大理石に覆われており、高さ100mの巨大なクーポラ荘厳な建築物であることを示しています。この後の班別自由研修で463段の階段を上り、フィレンツェで一番高い景色を眺めることのできるクーポラの上へと登る生徒たちもいます。
次に、『アカデミア美術館』を見学しにいきました。ここは1873年、ミケランジェロの傑作『ダヴィデ像』が、シニョーリア広場から移築されています。高さ4m34cmの本物のダヴィデ像に生徒たちは目を輝かせていました。
その後、いよいよ楽しみにしていた班別研修のスタートです。班別研修では、各班で立てた計画に沿って自由に散策し、楽しみにしていたピッツァ、お土産探しのショッピング、ドゥオーモのクーポラとその上の展望台からのフィレンツェの街並みを眺め、すっかりとイタリアになれてきた生徒たちはフィレンツェの街を満喫していました。あいにくの少雨でしたが、15時頃からは雨も上がり、生徒たちはフィレンツェの街を縦横無尽に散策し満喫しました。この班別研修は、教員や添乗員の方の力を借りずに生徒たちだけで全てを解決していきます。注文も、ショッピングも慣れ、フィレンツェで楽しむ生徒たち姿が素敵でした。
一度15時30分に点呼のため集合しましたが、たくさん歩いた疲れはどこへいったのか、笑顔でとっても楽しいといった雰囲気で満たされていました。点呼をとって再度解散となり、また街へ繰り出します。18時45分に集合するころには、お腹を満たし、両手にお土産袋を持った姿で集まっていました。生徒たちが無事、笑顔で集合場所に戻ってきた姿に、教員一同もほっとした気持ちでした。自分たちだけで買い物できた達成感、彼ら自身が「できた」という感覚が生徒たちを成長させていると感じます。このように達成感を与えられる環境や機会はとても大切だと思います。その後は、昨日と同じ「メディティラネオ」ホテルに戻り、荷物の整理をし、就寝となりました。
ホテルでは生徒たちが、「ドゥオーモのクーポラに登りました。急な階段で疲れましたが、登り切った後の達成感と、言葉に表せないほどのきれいな景色で疲れも飛んでいきました。すれ違いざまの外国の方に「頑張って!というと分かってくれて様々な言葉で「ありがとう」と言ってくれて嬉しかったです!」、「街はクリスマスムード一色で本当にきれい!付近の市場の人がとても面白くお話してきて楽しかった!」、「店員と凄い仲良くなってかなり値引きできた!」「日本では経験することの出来ない英語での値段交渉。片言のつたない英語と必死に格闘した結果成功しました。ほんの数分間のことでしたが、ものすごく感動したし、印象深いものとなりました」などと自由行動を楽しそうに話してくれました。
本日で前半4日間の行程を無事に終えたことになります。明日の午後には、いよいよ仁川学院の源流でもあり、聖フランシスコが模範として生きた「Pax et Bonum(和と善)」の精神がいきる街アッシジに向かいます。本物に触れあう経験を通し生徒達は成長しています。そしてこの研修旅行の真の意味を理解するまであともう少しです。アッシジの風景や人との関わりを通し、十分に目で、耳で、心で感じ取ってくれることを願っています。