長崎研修旅行
11月3日(祝)、2年ぶりとなる仁川学院中学校の研修旅行の出発です。
昨年度は新型コロナウイルスの影響により、中止となってしまいました。
今年度も感染状況によっては中止も検討されましたが、緊急事態宣言も解除されてなんとか無事に出発の日を迎えることができました。
本来の研修旅行は2年生での実施ですが、今回は昨年度行けなかった3年生と合同での実施です。
この日のために9月から事前学習を積み重ねてきました。
大きな目的である「コルベ神父の生き方と日本におけるキリスト教の歴史を学ぶ」、「平和への思いを被爆地で再考する」、「長崎の街並みに残る異国情緒あふれる風景に触れる」そして「仲間との絆を深める」を忘れず、何より3日間健康に注意して過ごしていきたいと思います。
午前7時40分、1人も遅れることなく新神戸駅に集合し、出発式からスタート。
生徒の司会・進行で、お祈り、校長先生のお話、そして班長を務める生徒代表の挨拶と続き、いよいよ新幹線さくら号に乗車。
ここまでは例年の流れと同じですが、例年と違うのは感染対策を行っている点です。常時マスクをして、新幹線の車内では座席を回転させずに全員が同一方向を向き、できるだけしゃべらず静かな空間を保って過ごしました。
博多駅からは在来線特急かもめ号に乗り換えです。
車窓に目を向けると、吉野ヶ里公園や佐賀平野、有明海の干潟など九州ならではの景色が次々と流れ、旅の気分を味わいながらお弁当を食べました。
長崎駅に到着後はバスに乗車し、最初の訪問地「聖母の騎士修道院」を訪ねました。
ここは仁川学院の建学に携わったマキシミリアノ・マリア・コルベ神父様が設立した修道院です。聖堂に入り、心を静め、山口雅稔神父様からコルベ神父の足跡をお話していただき、「自分たちでもできること」を考える時間を持ちました。
また、毎年8月9日に行われる平和祈念式典で読まれる「長崎平和宣言」で、今年は聖母の騎士にいらっしゃった小崎登明修道士様が取り上げられました。
原爆で家族を亡くし、自身も被爆し、家を失った体験を語っていらっしゃいました。
残念ながら小崎修道士様は今年お亡くなりになりましたが、仁川学院中学校の先輩たちも数年前に修学旅行で訪問させていただいたときにはお話を伺わせていただいていました。
続いて訪ねたのは「原爆資料館」です。
第2次大戦から76年がたった今、平和が当たり前になり、不自由なく生きていけるのも、歴史を教訓にしてきたからです。
戦争を生き抜いた方々も高齢となっています。語り継ぐ責任は戦争を知らない世代に託されていきます。ここには誰にも消すことのできない歴史の真実が残されています。
そのことをしっかりと学び取ろうとする生徒たちの真剣な表情が印象的でした。
「長崎が最後の被爆地」として歴史に刻まれるよう、私たちが未来をつくっていかなければなりません。
資料館を出ると、爆心地を通り平和公園へ。
平和の象徴でもある大きな像を前に、「追悼セレモニー」を実施しました。司会の生徒の厳かな雰囲気での進行のもと、各学年の代表が事前学習で作り上げた平和へ思いを綴った「誓い」を朗読しました。
これで1日目の研修は終了。
3日間お世話になる「長崎I·Kホテル」に移動し入館式を行いました。ここでも、生徒の司会・進行で生徒代表の挨拶を行いました。
そして、夕食のあとは明日の研修に備えて、午後10時には就寝しました。
研修旅行に向けて、クラス・男女混合の班で活動しています。クラスの垣根を超えた仲間と過ごすことで、いつも一緒にいる友だちだけでなく、いろんな人と関わり協働する経験を積み、視野や価値観、そして世界を広げてほしいと願っています。
明日は長崎市内班別研修です。班のなかで事前に計画を立てていて、グラバー園や大浦天主堂、出島などを訪問します。