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8月21~23日の2泊3日、4名(1年生1名、2年生3名)が「ふくしま学宿チームHYOGO」 の一員(生徒33名,大人9名の合計42名)として、福島県(双葉町・浪江町・大熊町・相馬市など)を訪れて、朝から晩まで学び続けてきました。
「ふくしま学宿 チームHYOGO」は、灘高校の池田先生が「《福島が教えてくれる学び》を若い人たちに伝えていきたい。 特に、阪神・淡路大震災を経験した兵庫県に住む子どもたちと一緒に考えていきたい。」という思いから始まり、2019年夏から続けてこられた活動です。
東日本大震災が起こった頃は2、3歳であった生徒たちは、ニュースなどで知っていたこととは違う当時の状況を見て、語り部さんから話を聞き、衝撃を受け涙ぐんでいる生徒もいました。そして、地震や津波のあとは原子力発電所の事故があり、助けられる命も置いて避難しなければならなかったことも聞き、胸が痛くなりました。
また、どこまで復興されているのかが把握できていなかったため、「13年間経ってもなお、帰還困難区域があり、バリケードがあって入ることができない場所がある。」「後何年かかるかは検討もつかない。」「解体も出来ずに放置された家がある一方、そこから車で5分程走ったところには、新しく開発した大きな商業施設や新しいエネルギーを作る工場などがある。」「元の住民の3~7%程しか戻ってきてない。」など、さまざまな状況を知り、現地に足を運ぶことの大切さを痛感しました。
[請戸小学校内見学の様子]
2日目は原子力発電所内に入り、見学することができました。この日は、廃炉が決まっている2号機から、今後の研究開発に向けて燃料デブリを3gだけ取り出し始める日でした。結果、人為的ミスにより取り出しはできずに延期となりましたが、経済産業省の木野様からも詳しい話を聞くことができ、学びの多い日となりました。ちなみに、この燃料デブリを取り出す予定も当初の予定より3年遅れています。防護服を着ながら作業を続けておられる方も、一日の作業時間は制限されていて、慎重に作業されていました。このような状況で本当に残り30年で廃炉の作業を終えることができるのか、処理水だけでなく廃炉したものを置く場所など考えることが多くありました。
[大熊未来塾 木村様の講演後に質問する様子]
[経済産業省 木野様の講演中の様子]
※NHKの取材の記事はこちら⇒https://www3.nhk.or.jp/lnews/fukushima/20240823/6050027200.html
最終日は、いわき市湯本高校と相馬市の相馬総合高校の生徒たちとの交流会がありました。同世代の生徒たちとさまざまな考え方・感じ方を共有し、これからどのように生きていくべきか、どのように伝えていくべきかを話し合いました。その姿を見ていると、これからの未来に安心感が持てました。若い世代のエネルギーは素晴らしいと感じた三日間でした。
[学校交流での様子]
参加した生徒の感想(抜粋)
▶ 私は伝えることの大切さを知りました。時が止まったような街、家族を亡くされた方、自分の街を本当に大好きな方を見ると一言にしなくて良いなんて言えないと感じました。でも強いて言うなら、この悲劇を後世に伝えていくために、街を残して復興するのだと思いました。今までで一番心に残った研修でした。
▶ 三日間で特に大事だと思ったことは、他人との繋がりと防災意識です。日頃から地域の方々に笑顔で挨拶をすることを心がけて、意見交換できる状況を作っておくこと、常に防災意識を持って生活することが大切だと思いました。
▶ どうせ津波は来ない。どうせ南海トラフ巨大地震とか・・・。と気を抜いて何も備えずに過ごしていたら、この悲しい歴史を繰り返すだけなのだと感じました。
▶ 本当に心の底から傷を負った人がいる中で、心の面での復興を進めるためにはどうすれば良いのかと考えされられました。私たち含めて、日本中の人々が福島であったこと、阪神・淡路大震災、能登半島地震で起きたことを少しでも知ろうとする姿勢があるだけでも、被災者の方々のために何かしていることになると思いました。
追伸:灘高校の池田先生を始め、ホープツーリズムの渡辺様・小泉様、私たちのためにお話ししてくれたすべての方々に感謝申し上げます。ありがとうございました。