校長ブログ
新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、学校が休校になって約ひと月半が経過しました。日本を含め、世界中の多くの人がこのウイルスと向き合い、闘っています。そのような状況の中でも、教会はイエス様の復活をお祝いするイースターが12日に祝われました。お祝いといっても教会では、集団での祈りもミサもお捧げすることはできません。ひっそりとイエス様はご復活されたような感覚です。現在、中学・高等学校も5月6日までの休校の中で、多くの生徒や保護者の方が、様々な制限の中で辛抱しながら過ごしていることと思います。1日も早い終息と普段の日常が戻ることを祈るばかりです。
さて、このような状況からイエス様の復活について分かち合いたいと思います。イエス様の復活は世界中に大きな喜びと救い、希望を告げ知らせました。しかし、復活に至るまでの道のりは大きな苦難がありました。人々から汚い言葉や傷つく言葉を浴びせられ、裁判においては大勢の群衆から「殺せ!殺せ!」と罵られたイエス様。鞭で打たれ身体中が血に染まり、茨の冠を被せられ、自分が磔にされる十字架を背負ってゴルゴタの丘まで歩かされました。苦痛の中で歩み続けるイエス様は、3度倒れたと言われています。それでも立ち上がり、血と汗にまみれながら処刑場にたどり着きます。十字架につけられたとき、イエス様の周りには、マリア様と一人の弟子、数人の夫人の姿が確認されていますが、毎日衣食住をともにした弟子たちの姿はありません。弟子たちは恐れをなして逃げてしまっていたのです。イエス様は周りにいる人々に許しを与え、神様に全てをお捧げして息を引き取られました。その3日後、早朝に墓を訪れたマグダラのマリアの前に復活されたイエス様が現れ、「おはよう」と挨拶されました。そして度々弟子たちの前に現れ平和の挨拶を交わし、ともに食事をし、逃げていった弟子たちに許しを与え、いつもともにいることを約束されるのです。これがイエス様の復活の出来事です。
現在、私たちは新型コロナウイルス感染症により、ひとつに集まることが制限されています。ともに勉強し、食事をし、部活に勤しんだり、行事に参加したり、学校では当たり前のことができずにいます。しかし、この苦しみは必ず過ぎ去るときがきます。イエス様の苦しみが復活に変わったように、学校が再開され、普段の日常が戻り、晴れやかな気持ちで友達と再会できるのです。弟子たちがバラバラになってもイエス様を中心にひとつに集まったように、必ずひとつに集まって喜びを分かち合うときが来るのです。ただ、今はその時を願い、信じて待つことにいたしましょう。そして、このウイルスと向き合い闘っている医療従事者をはじめ、全ての苦しむ人たちのために祈りましょう。皆さんの祈りを、神様が必ず聞き入れてくださることを信じて。
参考までに、皆さんの祈りの一助となることを願って、日本の司教団が出された祈りを紹介します。
「新型コロナウイルス感染症に苦しむ世界のための祈り」
いつくしみ深い神よ、
新型コロナウイルスの感染拡大によって、
今、大きな困難の中にある世界を顧みてください。
病に苦しむ人に必要な医療が施され、
感染の終息に向けて取り組むすべての人、
医療従事者、病者に寄り添う人の健康が守られますように。
亡くなった人が永遠のみ国に迎え入れられ、
尽きることのない安らぎに満たされますように。
不安と混乱に直面しているすべての人に、
支援の手が差し伸べられますように。
希望の源である神よ、
わたしたちが感染拡大を防ぐための犠牲を惜しまず、
世界のすべての人と助け合って、
この危機を乗り越えることができるようお導きください。
わたしたちの主イエス・キリストによって。アーメン。
希望と慰めのよりどころである聖マリア、
苦難のうちにあるわたしたちのためにお祈りください。
(2020年4月3日 日本カトリック司教協議会認可)