学校行事

ふくしますスタディツアー3日目(3月23日)

2019.03.23

昨晩から少し冷え込んだ最終日。午前中は、南相馬市原町区に移動し、一般社団法人 あすびと福島 にて、「ふくしま食べる通信」編集部の高校生との交流を行いました。

 まず、一般社団法人あすびと福島 代表理事 半谷 栄寿さんより、南相馬市初のソーラーパネル、そして、水力発電について体験しながら学びました。

その後、元東電役員だった半谷さんが人材育成に携わるようになる経緯を語っていただきました。「ふくしま食べる通信」編集部の生徒たちの動機の変化から、「好き」を動機に物事に取り組めば、しんどくても諦めることは少ない、だからこそ、好きなことを一生懸命に取り組んで欲しい。そして、それが社会に役立つことならとても素敵なことだと思いを語っておられました。

その後は、福島の高校生を交えて、ワークショップを行い、この3日間で見て、聞いて、感じたことをお互いに共有し、また、これから考え続けたいテーマを書き出しました。そこから、「人と人とのかかわり」「原子力と私たち」「災害前後の対策」「私たちの未来」「食や風評を切り口として自分自身の生活に向き合う」の共通テーマのグループに再編し、その中で今後大切に考えていきたい内容をさらに深堀していきました。

最後の発表では、「将来、どれだけAIや機械が発達しても、人を救うのは人」「放射能の正しい知識を知って、正しい共存の形を考えていかなければならない。」「日本は外しか見てない、内側を見ていないから、いつまでも被災後の様子が変わらない。もっと災害後のことを考えたい。」「復興の定義は人それぞれで定義してはいけない。」「正しい情報を判断する力が大切、当たり前は一人ひとり違うけど、その当たり前に感謝し、大切にしたい。」「自分自身の生活は比較するものではない、生きて食べれることに感謝したい。」「復興とは、人が楽しく過ごせる街づくりのことで、終わりのないものである。」などこの3日間で感じたこと、学んだことを生徒たちの言葉で語ってくれました。

感じ方も考え方もバラバラな、ほとんどコミュニケーションもとったことのない両校の生徒たちが、共に過ごし、同じものを見て、聞いて、意見を交流させていく中で、教員が予想していなかったまとめや意見を生み出していきました。さまざまな研修で講師の方々か伝えられた「人と人のつながりから生まれる力」とはこういうことではないのかと考えさせられました。

最後に、今年度の学院祭にて中学3年生が取り組んだ福島県物品販売の利益を本校を代表して有馬孝太朗くんより「ふくしま食べる通信」編集部の高校生へ寄付させていただきました。

この3日間の旅では、生徒たちの一部に線量計を携帯してもらっていました。3日間の累計線量は、5.313マイクロシーベルトでした。胸部レントゲン撮影で受ける線量0.1ミリシーベルトをはるかに下回る数字であったことを報告させていただきます。

この濃厚な3日間の体験が参加した生徒たちが未来と向き合う糧となり、各自がこれからの3年間でほんとうの自分の生き方を問い続けて欲しいと思います。今回、お世話になりました福島県観光交流課佐藤良作様、公益財団法人福島県観光物産交流協会 大関秀樹様、フィールドパートナー 常世田隆様、前川直哉様をはじめ、関わっていただいたすべての方々に厚く御礼申し上げます。