黙想会は、中学3年生が高校入試(内部到達度テスト)を終え、卒業を目前に控えたこの時期に、静かな環境の中に身を置き、中学校生活を振り返りながら「自分とはどういう人間なのか」を講話やグループワークを通して見つめ直し、今後の進路や将来などについて思索を深めることを目的としています。今年は、3年2組と3組が2月13日(水)、1組が2月18日(月)に、宝塚市のショファイユ幼きイエズス修道会でおこないました。
「何のために生まれて、何をして生きるのか?」
誰もが耳にしたことのあるこのフレーズ。そう、国民的アニメの一つ、アンパンマンの主題歌の一節です。そして、今回の黙想会のテーマでした。
午前中は、大水神父様による、2回に分けた講話と屋外の散策でした。講話は、絵本や聖書の一場面を題材に、生命誕生の尊さや、幼少期〜少年期〜青年期にかけて人はどのようにして支えられて生きてきたのか、など人間の生い立ちを追っていきました。
「生い立ち」に関する1回目の講話を終えた後は前後半の2グループに分かれて行動しました。1グループは屋外にあるルルド周辺の敷地内の散策でした。「静かに、沈黙の中」に身を置くと、深呼吸をすれば冷たい空気が体に入り、目を閉じれば鳥のさえずりや木々が揺れる音も聞こえます。生徒たちは日常の中ではめったに味わえない、一人の静寂の時間の中で個々を見つめることができました。
2グループは室内で「MY履歴書」づくり。履歴書を模したワークシートに自分の誕生から、印象的だった出来事が起こった日、長所や短所などを書き出し、客観的に自分の生い立ちを見つめ直しました。
2つ目の講話は「明日のわたしの作り方」と題し、「出会い」「喜び」といった人生における特別な瞬間に目を向け、竹内まりやさんの「毎日がスペシャル」の歌詞を題材に、前向きに歩みを進めることの大切さを考えました。
mizuno
昼食後は、聖堂でミサを行いました。神父様の所作の解説も含めながら、普段遠くから眺めていた動きやモノにどのような意味が込められているのかを学ぶことができました。また、「主の平和」を隣の人と手を取り合って唱えるなど、いつもとは異なる雰囲気でのミサとなりました。
最後の時間は「振り返り」落ち着いて、今日1日の学んだこと、考えたことを紙に書き出しました。書いた紙は普段の宗教の授業で使用しているノートに貼り付けてしっかり保存。高等学校への心の準備体操も始めつつ、残り短い中学生活を有意義に送ってほしいと思います。
~《振り返り》より~
自分が産まれた時のことを初めて考えました。家族がそのころの写真やビデオを残してくれていることを、とてもうれしく思いました。また、沈黙で過ごすという経験があまりないので、30分間でもとても長く、孤独を感じました。そして、いつもは聞くことのない様々な自然の音が聞こえてきて、心が落ち着きました。今日の黙想会をこれからの新しい生活に活かしていこうと思いました。