仁川学院中学校では、毎年2月に、3年生を対象として「黙想会」を行っています。卒業を前に静かな環境の中で中学校生活を振り返りながら、「自分とはどういう人間なのか」を、講話やミサを通して見つめ直します。そして、今後の自分の進路や将来について思索を深めます。
2月13日は3年1組、14日は3年2組・3組が、阪急売布神社駅すぐの宝塚黙想の家に集合。いつもとは違う場所で、違う時間を過ごします。
午前中は、4回に分けて校長先生から講話がありました。
・人間は、弱く、はかなく、もろい生き物。
・「自分には無理」という先入観にとらわれ自分の可能性にふたをしてしまいがち。「できない」ではなく「やっていない」だけ。自分の意志で変えていく。
・人間は、互いに魂が響き合う存在。本当に困っている人に対して、”魂を響かせ合う存在”に自分がなれる。「自分にとってこの人が必要だと思える人を探す」よりも、「この人にとって必要な存在に自分がなる」。打算で生きるような人になってほしくない。『この世の最大の不幸は、貧しさや病ではありません。だれからも自分は必要とされていない、と感じることです』(マザーテレサ)
このように、校長先生から自身の経験に基づいたお話、偉人や聖書の言葉を引用したお話などを、たくさんいただきました。
伝えたい思いをのせて、校長先生が歌います……。
お昼休みは、それぞれ思い思いに過ごします。部屋の中で話に花を咲かしたり、施設の裏山を探検したり……。
午後のスタートは、ミサに向けて、共同祈願文を各自が作成から。午前中の講話をふまえ、過去の自分を振り返り、今後の自分を考えます。ある生徒の祈願文をご紹介します。
私は、人に対して第一印象でその人の性格などを決めつけることがよくあります。マイナスのことばを言っている瞬間を切り取って、「性格が悪い」と決めつける、そしてその人が悪いことをしていると、「やっぱり悪い人だ……」と思ってしまいます。その人がいいことをしていても、「珍しいなあ」とその人への印象を変えずにその行動を見てしまいます。
今日、校長先生がおっしゃった「強い意志を持てば、“思い込み”は変えられる」ということばを胸に刻んで、”思い込み”をなくすことができますように。
ミサでは、これらの共同祈願が読みあげられました。そして、校長先生から一人ずつ頭に手をかざして祝福をいただきました。
最後は、今日の黙想会で気づいたこと・考えたことを作文にまとめました。
中高一貫の仁川学院では、ほとんどの生徒が4月からも同じ敷地内の高校で学びます。しかし、中学生までとはまたひと味変わった姿を、高校生として見せてくれるでしょう。今日の黙想会が、そのステップアップにつながる大きなきっかけとなりますように。