雨はあがったもののどんより曇り空。雲の流れは速く、ヤシやシュロの木がワサワサと揺れています。暗い中を「少し寒いね」と背中を丸めて朝食会場へ。今日は体験コースによって朝食、出発時間が違います。7時40分最初にホテルを出たのは、西表島クルーズ&由布島コースの27人。
次いで西表島カヌーコース32人。小浜島と竹富島のサイクリングコースは大人気でバス三台に分乗して出発しました。
(A) 西表島カヌー体験コース
西表島は、沖縄に次いで2番目に大きな島。石垣島より大きい島です。でも人口は2300人程度。島の9割が原生林、海と川が占める日本の国境に近い南端の島です。石垣島から高速船で約40分で到着しました。大原港に近い仲間川をクルーズ船で上り、いざ、カヌーへ。バランスを崩すとすぐにひっくり返ってしまいます。少し肌寒い日でしたが、みんなで川遊びをして、大笑いしながら日常をはなれた時間を過ごすことができました。
2組 豊田 祐伍君
「今日はクルーズとカヌー体験で、西表島しか感じることができない自然を体験することができました。最近の環境問題で、西表島のマングローブ林や珊瑚をはじめ、美しい自然が破壊されつつあるということを知っていました。しかしいざ、その本当の素晴らしさを体感すると、『あの尊い自然を守るために自分にできることは何か』と深く考えさせられた1日になりました。」
(B)小浜島・竹富島サイクリングコース
小浜島&竹富島コースは、98名で行われました。期待された晴天こそ叶いませんでしたが、快適な気候のもと、小浜島観光と竹富島でのサイクリングを楽しむことができました。
朝食後、私たちは高速船に揺られながら、小浜島へと渡りました。小浜島観光は、バス運転手の方の小気味良い語りと共に、和やかなムードで進みました。その語りは、さとうきびや牛の牧畜といった島の産業から、島に生きる子供たちのことなど多岐にわたり、この島の人々の息づかいを感じさせてくれる貴重なものでした。車窓に流れる美しい景色を眺めつつ、学びのひとときを過ごしました。
昼食の後、今度は竹富島へ。自転車を借りて、サイクリングへ向かいました。ここは一周9.2㎞の小さい島ですが、美しい砂浜が広がるコンドイ浜や星砂海岸、島を一望できるなごみの塔、夕日を眺めるには絶好の西桟橋など、見所はとてもたくさんあり、生徒たちは思い思いの場所へ向かいました。また、島内には瓦屋根の素敵なカフェもあり、ご当地パフェに舌鼓を打っていた生徒もたくさんいました。
こうして、私たちは二つの島を精一杯満喫し、2日目を終了したのでした。
3組 山﨑 季千亜さん
「朝は比較的ゆっくり出発しました。最初に訪れた小浜島のバスガイドさんが、孔雀の豆知識など沢山教えてくださってとても興味深かったです。待ちに待った竹富島では、班のメンバーと、ハイビスカスや星砂の浜を見ながらサイクリングをしました。風が強かったし、砂地の自転車は少し大変でした。人が少なく信号もない島内の、八重山特有の家々をみているうちに、ジブリの世界へ迷い込んだ気がしました。新しい発見だらけの1日でした。」
(C) 西表島クルーズと由布島コース
浦内川まではバスで約50分。西表島を約半周する道中、運転手さんが、一つ一つ西表島の集落の話や特別天然記念物のイリオモテヤマネコやカンムリ鷲、固有生物の話をしてくださいました。手つかずの自然の宝庫が目の前にありました。古見という集落にある小学校の児童数は10人。先生は7人という学校の横を通りました。中学校は島内でも、高校になると、子供たちはみな島外へ進学して一人暮らしをするのが普通だそうです。仁川の生徒たちが親元から通える日常は、実にとても恵まれているのだと、ある生徒がぽろっと漏らしていました。
由布島の水牛は現在51頭いるそうです。それぞれに名前があって、人間の言うことはすべてよくわかっているようでした。驚いたことは、決して陸地では糞尿をしないことです。汚さないように、必ず渡る海の中で(水洗便所として)用を足すように2歳でしつけをされるのだとか。船頭?さんたちの水牛たちへの愛情も伝わってきて、穏やかな優しい気持ちになりました。
3組 山之口みなみさん
「今日は西表島の浦内川でボートクルーズと、昼食後には由布島への水牛体験をしてきました。クルーズでは、360度見渡す限りたくさんの種類のマングローブに囲まれ、ここが同じ日本とは思えないような、西表島の原風景、大自然を体感することができました。由布島への水牛に乗っている時間は10分ほどなのですが、海からの風とサンシンの音に身を預けて、ゆっくりと流れる時間に心が癒されました。」