合宿2日目(最終日)は朝5時から自習教室を開放しています。前日、夜遅くまで学習していたにも関わらず、自習教室に足を運ぶ生徒が何人もいました。私語を慎み、黙々と学習を進めます。
全体では朝6時に起床し、7時には全員で朝のお祈りと30分間の読書をして、2日目がスタートしました。
朝食後は、125分という大枠で「教科横断型特別授業」を行いました。特Ⅰ合宿では初めての試みです。1〜3年の縦割りで、かつ3、4人という少人数編成の班に分け、問題解決型の授業を展開します。
まずは、言葉だけでのヒントを頼りに話し合い、両面テープが貼られた6本のPPバンド(ダンボールでの梱包時などに使用されるポリプロピレン製のバンド)を使って「球体」をつくります。完成した球体の条件は転がしたり、落としても壊れないことが条件です。最初はすぐにバラけてしまって、中々うまく形になりません。
PPバンドを編み込むようなかたちで「三竦み(さんすくみ)」をつくっていくことが、この作業のコツです。その「さんすくみ」の仕組みや構造について、特Ⅰ担任3名の専門教科である国語、美術、理科、それぞれの観点から解説を行いました。生徒達は、紐状の物で球体を作れること、物事をあらゆる観点から分析すること、他学年の子と知恵を出し合ってモノを作り上げることに新鮮な面白みを見いだしてくれたようです。
横断型授業の後は、高校の進路部長である亀井先生から「6年間の、その先へ・・・」と題した講演を行っていただきました。根本にある、物事の問題とどう向き合って生きているか、の問われように、生徒達は戸惑いながらも真剣な表情で聞いていました。
午後には、昼食をはさんで最後の自学自習に入ります。今回の合宿のしおりには、テストや自学を終える毎に自己分析を行うページが設けてあり、それを振り返りながら自学に取り組んできました。「限られた時間の中で、闇雲にやるのではなく、要点を抑えて質の高い自学自習ができた」とアンケートに書いてくれている生徒もいました。実際に、合宿終盤での生徒の疲れはピークに達していたと思いますが、自学自習への集中力が高まっている様子が伺えました。
合宿最後のプログラムは「決意表明」。この合宿を通して学んだことや、気付いたことを通して、「夏休みに向けて」をテーマに決意表明を書いてもらいました。各学年の代表者2名がマイクを握り、全員の前で自分の決意表明を行いました。合宿のアンケートを記入後、閉校式を行い、再びバスに乗って帰校しました。
副校長先生が紹介された「夏を制する者が、受験を制する」という言葉を胸に、学校外の環境でも、自分たちで計画的な質の高い学習ができるように心から願い、応援しています。