2学期期末考査最終日。4日間、教室の机でテスト問題と格闘した生徒たちが、外へ出てアクティブな活動を始めました。
今日は「仁川の森」の成果、野菜収穫です。
台風で苗が飛ばされ、大雨で浸水被害に遭い、害虫に葉っぱを食べ尽くされ……、苗を植えては抜き、また植え直して、と何度もチャレンジしました。今日この日にたどり着くまで、決して楽な道のりではありませんでした。
地面から顔を出しているカブ。大きく葉っぱを広げているのがハクサイ。
森のように繁った水菜の収穫は手応え抜群。
自分で育てたカブは、スーパーで見るカブとは違った姿で見えることでしょう。晴れ晴れした表情がそれを物語っていました。
収穫した野菜は、鮮度を保って持って帰るように、湿らせた新聞紙に包みました。この作業は、1学期にも経験済みで、手慣れたもの。先生方の指示がなくても、お互い声を掛け合って順調に進みました。
実は、「仁川の森」にはもう1カ所、グランドの隅に畑があります。そこには、サツマイモの苗を挿し木していました。最初は水やりをしていましたが、ツルが伸びてからは雨任せ。それでも、根元がどこか見えないくらい、ツルが繁りました。
まずはハサミでツルを切り、根元を探すところから……。結構時間がかかりました。
根元が見つかったら、あとは手探り。途中で折ってしまわないように、慎重に土をかき分け、芋を掘り出しました。
たった1本の苗から、地下にどんどん伸びて、こんなにたくさんのサツマイモが収穫でき、大満足の笑顔。
サツマイモは天日干し。2週間ほど経てば甘みが増すそうです。12月17日からのクリスマスウィークで焼き芋にして食べる予定です。また、地域の方にもおすそ分けできたらな……と考えています。自分たちで育てた野菜を自分たちで食べる、そして、家族や他の人に食べてもらう。その達成感はなかなか得られないものでしょう。
大量の芋のツルは、捨てずに集めて、腐葉土にできないかと計画中です。その腐葉土で来年の畑の土作りができれば、目に見える形で「循環」が学べそうです。
教室では経験できない、自然との関わり。幾多の困難を乗り越えて、それでも立派な実を結んだ野菜の収穫に、生徒たちは大きな喜びを感じ、あちこちから歓声が聞こえてきました。
ネットやバーチャルリアリティーなど現代社会の物質面は進化し続けています。一方で、本物に触れるという実体験は乏しくなっています。
しかし、この「仁川の森」での実体験の成果は生徒たちの表情と歓声、そして今回収穫した作物を見ても明らか。きっと今後の貴重な財産となることでしょう。