野上日記
2013年10月
- 2013.10.28
- |カテゴリー:野上から
はらぺこあおむし
こんにちは、Y館長です。
「はらぺこあおむし」
エリック=カール著 もり ひさし訳 偕成社; 改訂版より
いまや定番となった幼児向けの絵本ですが、さて、いつ頃から世に出てきたものか、Yなどは数年前に孫のクリスマス・プレゼントの品定めに奔走(また大袈裟な!?)する際に、どこの書店の絵本コーナーやデパートの玩具売場でも見掛けることで知ったのですが・・・
デパートの玩具売場では大きなぬいぐるみなども展示されていて人気の程が伺われました。
Y世代で「あおむし(いもむし)」といえば、それはもうやはり「モスラ」以外には考えられないのですが・・・例の如くの旧いふるい話・・・すんません
さて何故の「あおむし」かと申せば、これ・・・
A職員が庭の手入れ中に見つけて、そのあまりの食欲の旺盛さにびっくり、思わず捕獲してきたもの。
ひと晩、サロンに残したままにしたところ、翌朝は、ここで発見!
柱の縁にしがみついておりました。
移動距離はこれだけ(わかりにくいですが、左の椅子の座面から右の柱の上あたりまで)・・・えっちらおっちら餌である葉っぱを求めて登ったのでしょうか。
このあと、またA職員の手によって、庭に戻されたことは云うまでもありません。
ところでこの「あおむし」、この夏に庭のフェンス下に移植した「琉球アサガオ」(ノアサガオ)の葉に宿っていたのですが、よく観てみると、別のもっとすごい大物も・・・・
大きさは下のボールペンと比べてください! 全長10センチメートルは優に超えています。
まぁ、食欲はすごくて、大きな葉三枚ぐらいは朝メシ前!?
フェンスの下には黒々と立派な糞も点々と・・・
もう秋も終わろうというこの時期ですから、蛹で越冬するのでしょうか、今朝あたりから食も細くなってるらしいと、A職員のお見立て・・・
いましばらく観察してみましょう。と云いつつ、いったい何の幼虫か、ようわからんのですが・・・
ということで、今回は、記念館日常のいたってどうということのないお噂でごきげんを伺いました。ほなっ、サイナラ~、また来週!
- 2013.10.24
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目指せ、記念館!
こんにちは、Y館長です。
先週、藤飯治平先生が亡くなる直前まで絵を習っておられたKさんとおっしゃる女性が、お友達とふたりで記念館を訪ねてくださいました。
例によってあれこれ藤飯先生や奥様にまつわる愉しいお話を伺わせていただいたのですが、ちょうどアトリエで、藤飯先生の写生帳の整理を始めていたときで、そこに残された取材の足跡の一部ををしばしご覧頂いたのですが、たいへん喜んでいただきました。
Yからして、そこに素顔の藤飯治平を間近に見る思いがするのですから、深い縁のあったお弟子さんからすれば、一入の事と想像できます。
しっかり整理をして、できるだけ早い機会にご覧いただける体制を調えたいと思います。
お話をしていて感じたことがもう一つ。
基本的に、一対一の個人レッスンで習っておられたとのことで、それぞれのお弟子さん同士の交流というか、どんなひとが何人ぐらい習っておられたのか、そのあたりのことがなかなかはっきりしません。
Kさんはいまでも絵を続けておられるご様子で、この記念館を足掛かりにして、そんなお弟子さんが一同に会する同窓会的にお話を聞かせていただいたり、絵を続けられている方々には、この記念館で共同展のような試みができればという思いを強く持たせていただきました。
そんなネットワークが拡げられるよう、様々な情報をお知らせいただければありがたいですね。
そんなわけで時候もよくなったこの頃、ぜひお気軽にお立ち寄りいただきたいのですが、初めて記念館をお訪ねいただく方には、ちょっと道がわかりにくかったりするかも・・・(Yの知人であるMさんが訪ねてくれた際には、あの真夏の猛暑日の中、道を間違って三十分間も漂流したあげくヘロヘロになって辿り着いたということもありましたので)
そこで、今回は懇切丁寧な道案内! さぁ、逆瀬川駅からスタートです。
宝塚病院前交差点(信号あり)をまっすぐ坂の方に向かって進みます。
この先しばらく・・・坂、キツイです!
足元をしっかり見つめて、この先どこまで?なんてことを考えずに・・・歩きましょう!
さあ、ここまでくればちょっと勾配は緩やかになって、目的地はすぐそこ・・・・ではなくて実はこれからだったりしますが、めげない、めげない・・・
両サイドには様々に個性的な、意を尽くした家構えが並んでいます。それらを鑑賞しながら気を紛らわせていると、あっという間に・・到着するわけではないですが、多少は短く感じられるかも。
ただし、行き交う車にはじゅうぶんご注意ください。
初めての道は遠くても、二度、三度となると案外近く感じられたりするもの。
この路肩にはみ出した立ち木をしっかり覚えて既視感(デジャブ感)を養っておきましょう、ちょっとは近く感じられるかも(?!)
ここを過ぎれば、道路の右側に小さくちいさく(!)、目的の記念館が見えてきます!
そう、あとはほんの少しです。
実はこの坂道、阪急バスの路線バスが運行しています。ただ、逆瀬川駅から記念館を通りすぎて300メートル先までひとつも停留所がありません!
それでもこの坂道を登るよりは降ったほうが楽は楽でしょうか。その場合は逆瀬川駅バスターミナルから「光が丘北」行き(野上三丁目経由)にご乗車いただき、最初の停留所「野上三丁目」で下車、バス道にそって戻ってください。バス料金は210円です。
ふぅ、着きました!お疲れ様でした! どうぞ、館内でゆっくり疲れを癒してご鑑賞ください。
館内では、今日の一輪も貴方をお待ちしております。
※逆瀬川駅からタクシーをご利用頂く場合は、行き先を「野上四丁目、宝会館入り口角の藤飯記念館」とお伝えいただければ大抵わかっていただけます。ワンメーターです。
- 2013.10.16
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気になる、画家の◯◯
こんにちは、Y館長です。
今日、関東から東北ではいまこのとき(午前11時)も大型台風が猛威を振るっていて、通過域の伊豆大島では甚大な被害も懸念されるとの報道が相次いでいます。
台風=自然災害=やむを得ないもの、と云えばそうなのでしょうが、その自然の営みに、私たち人間の無思慮で浅墓な行為の蓄積が影響を及ぼしていないと、さて言い切れるものかどうか・・・
ともあれ、いまはこの先の無事を祈るばかりです。
ここ野上では、空はどんよりとしていますがときおり薄日も差し、ときたま強く吹いていた風も止んだようで、気温は急に肌寒く秋の気配が濃厚です。
ようやく逆瀬川駅から続く胸突き八丁(は、ちと大袈裟かな?)の坂道も汗だくになることなく歩けるようになり、時恰も「芸術の秋」!
これまでの猛暑に来館を躊躇っておられた皆さんも、もう坂道の途中で行き倒れる心配もなく、これ以上あれこれと言い逃れる術はありませんよっ!
ぜひ覚悟を決めて、早々にお越しいただき、ひとときの「アートな時間」を過ごされますよう、Y館長、A職員ともどもこころからお待ちしております!!
さて、藤飯治平記念館を訪れてくださる方々のうち、ご自身に絵心というか、絵を描かれる方に共通することがあります。
それは何かと云いますと、アトリエに足を踏み入れて、まず最初に発する言葉が、
「筆を見せてもらっていいですか?」
Yにもそのお気持は、なるほどと納得がいきます。
絵に限らず、習い事芸事をかじると、先生や師匠の「道具」がとかく気になって、下手な自分の才能腕前は他所に置いといて、同じ道具を持てば一人前になれると、そんな夢を抱くんですね。(あっ、これはもちろんYだけのことですから・・・)
また、腕が上がるに連れて、その「腕」がいい道具を求める、或いは道具が「腕」を後押しするということもこれはあるわけで、しかし、一方では「弘法筆を選ばず」や「下手の道具調べ」ということわざもあったりするわけですが・・・
いずれにしても、絵を描かれる方は、隣の芝生ならぬ隣の筆が気になるご様子で、記念館では手にとって気の済むまで(?)自由に御覧頂いています。
画家にとって絵筆は、もう一つの手であると同時に消耗品でもあるわけで、藤飯治平先生も、特別に高価な筆を使われていたということではなく、当たり前のものを当たり前に使われていたということであるようです。
サロンに日が差して、床の影模様も、何やら抽象絵画風の・・・秋
では、今週の花をご覧いただきながら、また来週!
- 2013.10.08
- |カテゴリー:野上から
聖フランシスコの祝日に・・・
こんにちは、Y館長です。
10月の第一週、学院の行事のために二日間の臨時休館をいただきました。
学校法人仁川学院の運営母体は、アッシジの聖フランシスコを師父とするコンベンツァル聖フランシスコ修道会です。
そのため仁川学院では、カトリック教会においてアッシジの聖フランシスコの祝日とされる10月4日を創立記念日と定め、毎年、その創立を祝う式典を挙行しています。
今年は、カレンダーの都合で10月第一週の週末に開催される仁川学院中学・高等学校の学院祭が10月5日となるため、その準備の都合上、10月3日に創立記念式典が行われました。
そこで翌日の4日も、記念館を臨時休館とさせていただき、アッシジの聖フランシスコの祝日当日に、記念館開設にあたって大きなご尽力をいただいた所縁(ゆかり)の方々を記念館にお招きして、ひととき藤飯治平先生を偲ぶ時間を持たせていただきました。
懐かしい思い出話や、藤飯先生ご夫妻の愉しいエピソードなど、盛り沢山のお話をお伺いし、名誉学院長、学院長をはじめ学院関係者一同、改めて有意義な時間をいただけたことに感謝しています。
その折のお話あれこれは、いずれこのブログでも綴らせていただく機会もあるかと思いますのでどうぞお楽しみに・・・・
そのお招きした所縁の方が、藤飯治平先生の大切なものを記念館に託してくださいました。
藤飯治平先生が、最後の入院をされた後の、アトリエの画板に残されていた水彩画・・・
その年の春、先生はフィレンツェへ取材旅行をされていて、そのときの印象の一コマでもあったのでしょうか・・・
その旅から帰国して5月に入院されるまでの間に十数点の水彩画を描かれたそうですが、これはその最後の一枚。
そんな経緯からすれば先生の絶筆である可能性が高いのですが、これを見たYは、すぐにサロンに掛かる一枚の油彩の小品を思いました。
(1992年 街頭の八百屋 油彩 3号)
こちらは、花屋さんではなく八百屋さんの店先ですが、品定めに佇む女性・・・
青い上着と黒いスカート・・・・
十数年を経て描かれた、花屋の店先で佇む女性と同じ女性(ひと)?
筆を取る画家を過ぎった思いは、はたしてどのような思いであったのでしょうか・・・
Yには、この最後の一枚を描かれた時、藤飯治平先生は既にご自身のご病気について、確かなところを十分知っておられたような気がしてなりません。
もちろんそれは、Yの感傷に過ぎないのかも知れませんが、画面からはしっかり藤飯治平のたましいの物語が聞こえてくるようで・・・・
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ところで、先週の数日間、吹く秋風に任せてアトリエの扉を開け放っていたのですが、気がつくと庭に面した網戸に一匹の蜻蛉が・・・
Yの貧弱な博物知識では、蜻蛉の種類も判然としませんが、透明な羽に凛とした気配を感じて、そっと手のひらで網戸の外に放ってやりました。
蜻蛉は、しばし石畳の上に羽を休めると、秋風にもまれるように空中へと飛び去りました。
というところで、また来週!