野上日記
2014年1月
- 2014.01.31
- |カテゴリー:野上から
京都(みやこ)の一日
こんにちは、Y館長です。
先の日曜日、所用があって京都を訪れました。
目的はこれでした。
四条は南座での長唄の会・・・
お囃子連中として居並ぶのは宮川町のお姐さん方。
実は何を隠そう(別に隠すような大したことではないのですが、ここはちょっと勿体つけさせていただいて)Yには、「三味線」という、なんとも奥ゆかしい(自分で言うか?)趣味がありまして・・・
かれこれ十数年のキャリアですが、腕前は、まぁ、人里離れた一軒家を閉めきって、がよろしいようなことですが、相弟子の方たちには凄腕のひとも多く、プロとして活躍されている方も相当におられます。
ここ数年は師匠の健康上のこともあって、お稽古から遠ざかっているのですが、お仲間のひとりが、京都の杵屋某の門弟で、そのお浚い会を兼ねた催しに招かれたというわけで・・・
Yの三味線は、使う三味線は細棹と呼ばれる長唄三味線ですが、一般には端唄(はうた)と呼ばれるジャンル。
長唄の合方(あいかた)と呼ばれる三味線の独奏部分も浚ったりはしておりましたが・・・まぁ、長唄よりはもっとお手軽なものですが、こちら長唄は一曲十数分から、曲によっては二十分はゆうに掛かろうかという本格派。
番組には宮川町や上七軒、祇園甲部の京都花街のお姐さん方もにぎやかに出演されていて、客席には本衣装の芸姑さんのお姿も・・・きれいおすなぁ・・・
引けて南座を出てみると、初春の雪がちらほら・・・いやぁ、こっちもよろしおますなぁ・・・
ところで京都と云えば、藤飯治平先生の母校は、あの!京都大学!!
証拠(?)の卒業証書・・・成績証明書はまだ発見に至っておりません、念のため!
所縁の方々から伺うと、藤飯治平先生はもともとは建築家の道に進みたかったとか。
ただ京大には工学系の建築部しかなく、物理、数学が苦手なため、経済学部で間に合わせた(!)のだとか・・・
普通の人(でえぇですよね?)であるYには、「経済学=(限りなく)数学」という等式が成り立つと思われるのですが、まぁ、偉い人の頭の中は想像も及びません。
そんな先生が描く京都風景、しばしご覧ください。
京大の時計台
嵐山は渡月橋
御室は仁和寺
銀閣寺逍遥
気がつけば一月も今日が晦日、節分もすぐそこに・・・
ギャラリー プチ フォルムでの「藤飯治平展」も一週間を残すのみとなりました。
ぜひこの機会に、記念館の所蔵品から伺われるのとはまた趣きの異なる藤飯治平画伯と出会っていただければ嬉しいですね。
巷では、ノロウイルス、インフルエンザが流行の兆しとか。
ぜひご自愛いただき、また来週!
- 2014.01.25
- |カテゴリー:野上から
新たなめぐりあい
こんにちは、Y館長です。
1月中旬以降、記念館の内外で藤飯治平先生の様々な「顔」に触れる時間や機会が多くありました。
そうそう、Yのご幼少の砌というか若かりし頃は「様々な顔」をテーマにした映画やドラマが目白押しでした。
映画で真っ先に思い出すのはやっぱり片岡千恵蔵演ずる「多羅尾伴内」シリーズでしょうか。
「あるときは私立探偵、あるときは片目の運転手、あるときは謎の手品師、またあるときは中国の大富豪、しかしてその実体は正義と真実のひと 藤村大造だ!」
東映ビデオより
小林旭がリメイクしたり、テレビドラマになったり、Yよりもう少し若い世代には、昨年末に急逝した大滝詠一が別のイメージで見せるときの変名に使ったり・・・
先日は作詞家である川内康範の特集をテレビジョンで見ました。川内康範のキャリアの出発点は「月光仮面」の企画・原作・脚本・作詞であることは有名ですが、その後放映された「七色仮面」も川内氏の作品だそうです。
・・・ななつのかおのおじさんの、ほんとのかおはどれでしょう・・・・たちどころにYの脳内には七色仮面の主題歌が鳴り渡ります。あぁ、なつかし!
イタリアのマスカレードもそうですが、人のこころには変身願望というか、仮面願望が潜んでいて、ときにはそういう物語に仮託して、そんな欲求を発散しているのでしょうか・・・洋の東西を問わず、文学、音楽、映像といったジャンルを問わずいっぱいありますもんね。
あらら、閑話休題。藤飯治平先生のお話でした。
まずは、藤飯治平展を開催中のギャラリー プチフォルムでお目にかかった藤飯先生の従兄弟さんであるT氏ご夫妻。
T氏はその顎鬚を蓄えた風貌が藤飯先生を彷彿とさせ、先生若かりし頃のエピソードを聞かせていただきました。それによれば、何でも藤飯先生は魚の絵ばかり描かれていたとのことで・・・
魚の絵といえば、浅学なYには日本での西洋油絵の開拓者である高橋由一の、新巻鮭というか塩鮭を吊り下げて、半身を削いだり片身を削いだ絵ぐらいしか思い浮かびませんが、たしか東京芸大美術館で見た、片身を削がれた新巻鮭の大きさと迫力、その描写のリアルなことに仰天した覚えがあります。
重文、東京芸術大学美術館蔵
藤飯センセの、「そのこころ」は、いまとなっては窺い知れませんが、ひょっとしたら由一に寄せる思いなどもあったのかもと想像を逞しくするのは鑑賞者の自由ですから・・・
ちなみにT氏に、先生の描かれた魚は美味(うま)そうでしたか?とお尋ねすると・・・不味(まず)かったとのお答えを返していくださいました!?
同じ時に、藤飯先生の古くからのお弟子さんというご婦人のYさんにもお目にかかることができ、今後もお弟子さんならではのあれこれをお聞かせ頂けるものと嬉しく思っています。
また先週は、藤飯先生の園田学園時代の教え子さんが、立て続けにお二人、記念館を訪ねてくださいました。
おひとり目はTさんとおっしゃるご婦人でした。聞けばご子息が東京芸大で芸術家を目指しておられるとか・・・これもまぁ隔世遺伝の一種(?)でしょうか。
おふたり目はH氏とおっしゃる物腰の柔らかい紳士・・・藤飯先生が園田学園小学校で教頭をされていて、英語と図工の授業を受け持たれていたことや、クラスのエピソードなどを楽しく聞かせてくださいました。
一昨日には、藤飯先生が額装を頼まれていた大阪の老舗額縁店のご主人Kさんが来てくださいました。
記念館の開館準備で、雑誌の整理をしているときに、藤飯先生とKさん、それにギャラリー プチフォルムの青柳社長が鼎談されている記事を見つけて、ぜひお目にかかれればと願っていたので、有難いことでした。
記念館サロンに常設展示しているこの作品も、藤飯先生とKさんの素晴らしいコラボレーションの一例です。
昨日は、逆瀬川駅アピアで開催されていた藤飯先生の絵画教室で習っておられた、こちらも紳士のMさん。千種にお住いで散歩の途中にたまたま通りがかったと・・・
サロンでは、うえに紹介したKさんの額縁に目を止められ、てっきりヨーロッパの素晴らしいアンティーク額に藤飯先生が触発されて相応しい絵を描いたものと思ったと、気に入ってくださいました。
というふうに、開館半年、足かけ二年目を迎えて、藤飯治平記念館はこれからも様々なかたがたと出逢い、多くの皆さんに支えられながらその歩みを続けていきたいと思います。
ぜひご来館くださいますよう、お待ちいたしております。
- 2014.01.18
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冬薔薇
こんにちは、Y館長です。
昨日、スーパーゼネコンの一翼を担うS建設のO部長が仁川学院藤飯治平記念館を訪ねてくれました。
O部長には、仁川学院創立50周年記念をした小学校、中学校、総合体育館等の整備事業の設計を担当していただき、それは現在の校舎群(西宮市甲東園)に見事に結実して、仁川学院の教育を施設面、環境面から日々支えてくれています。
以前にこのブログでもご紹介した仁川学院小学校の「聖母マリアのグロッタ」をはじめとして、通学路の「大スロープ」、中庭の神とつながる「宇宙軸」、武道場・温水プール・アリーナを一棟に集約した「総合体育館」、オープン教室を基調とした「小学校」、職員室の壁をなくし廊下をも学びと集いのスペースとして活用した「中学校」等々、挙げればきりがないのですが、それらに献身的に関わってくださり、無謀とも云えるこちらの要求にも終始大人(たいじん)の風格をもって相談に応じていただきました。
この記念館には開設したばかりの夏の盛りにも、学院工事中はO部長の片腕として実務にあたっていただいたN女史ともども訪問してくださったのですが、そのN女史に昨年11月、無事に新たないのちが授かったとお聞きしたこともYには嬉しいことでありました。
昨日は、阪神間と云わず日本人としては忘れてはならぬ「あの日」から19年目を迎える日でもありました。
悲惨とそれに続く苦難、それらを乗り越えてある現在(いま)を想うとき、つなぐべき「新たないのち」誕生の報に接することができたのは、日頃もの思わぬ(?)Yにも、何かしら考えさせられることでありました・・・
さて、前回ご案内さていただいたギャラリー プチフォルムで開催されている「藤飯治平展」を早速拝見してまいりました。
藤飯治平先生の70年代から亡くなる直前まで、その画業を一堂に俯瞰できる作品が取り揃えられており、圧巻でした。
なによりギャラリー・オーナーはじめスタッフの皆さんの藤飯先生に対する敬慕の思いが展示に溢れていて清々しい思いで拝見することができました。
また会場では、この記念館開設にあたって多大のご貢献をいただいた弁護士のT先生にも久方ぶりにお目にかかることができ愉しく有意義なひとときを過ごすことができました。
なお、掲載した藤飯治平展の様子は、当日カメラを忘れた「おとぼけY」に代わってプチフォルム看板スタッフのFさんに撮っていただきました。Fさん、ありがとうございました!
改めて、藤飯治平展のあらましをご案内しておきます。
開催場所 ギャラリー プチ フォルム
大阪市中央区平野町4-6-15
電話 06-6231-2302
※ 最寄り駅は大阪市営地下鉄御堂筋線「淀屋橋駅」13番出口です。
開催期間 1月10日(金)~2月8日(土)※日、祝はお休みです。
午前11時~午後7時(入場は午後6時30分まで)
画廊ホームページ http://www.p8600.com
寒き日に 濃きくれなゐの 薔薇を愛で しばらくにして 昼寝ぬわれは 茂吉
- 2014.01.06
- |カテゴリー:野上から
謹賀新年
あけましておめでとうございます、Y館長です。
皆さまにはそれぞれに豊かな新年を迎えられたこととお慶び申し上げます。
開館二年目を迎える本年も、仁川学院藤飯治平記念館をよろしくお願い致します。
冬季休館として約二週間のお休みをいただいておりましたが、本日より平常通り開館させていただいております。
「館長ブログ」も新年最初の更新となります。相も変わらぬ拙い筆のすさびですが、こちらもよろしくお願い申し上げます、というところで、まずはお知らせを・・・
藤飯治平先生の生前から、先生の画業を二人三脚で支えてこられた大阪の「ギャラリー プチ フォルム」で、仁川学院藤飯治平記念館開館記念として藤飯治平展が開催されます。
学校法人仁川学院が、仁川学院藤飯治平記念館を運営させていただくことにも、ギャラリー プチ フォルムの青柳社長を始めスタッフの皆さんには多大なご尽力をいただきました。
ここにまた、新年早々の開館記念展を開催されることとなり、当記念館としましても、一人でも多くの方々が藤飯先生の作品に触れていただく好機になればと感謝しております。
藤飯治平展の概要はつぎのとおりです。
開催場所 ギャラリー プチ フォルム
大阪市中央区平野町4-6-15
電話 06-6231-2302
※最寄り駅は大阪市営地下鉄御堂筋線「淀屋橋駅」13番出口です。
開催期間 1月10日(金)~2月8日(土)※日、祝はお休みです。
午前11時~午後7時(入場は午後6時30分まで)
画廊ホームページ http://www.p8600.com
新年早々から嬉しいお知らせをお伝えすることができ、幸先の良い一年になると感じております。
今年が皆さまにも幸多い一年となりますようお祈りしつつ、また来週!