野上日記

2014年3月

開花便り

こんにちは、Y館長です。
 
野上は今日も雨・・・・と三週続けて書き出すのが憚られて(?)昨日の更新を躊躇し本日の更新となりました・・・
 
昨日の雨は上がりましたが、空は鈍色の花曇り・・・吹き渡る風はしっかり春の衣を纏っているようです。
 
 

ここは花曇りにかけて、しばし「桜、さくら、サクラ」のおうわさでも・・・・
 

今朝の学院敷地内の「桜」あれこれ・・・
 
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中高側中庭の真ん中にあって、行き交う生徒たちを見守る大木。
 
 
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小学校側通学路南門そばで、登校する児童生徒を迎え、見送る優しい木立。
 
 
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仁川教会マリア館前で、登園する園児や保護者に微笑みかける花びら。
 
このところの暖かな雨で一気に開花が進んだようで、うーん、入学式まではどうでしょうか?
 
マリアの園幼稚園の園庭脇にも可愛らしい若木があるのですが、こちらは今朝はまだしっかり眠ってるようで、それでも目覚めはすぐそこでしょう。
 
 
Yなどは、若い頃にはサクラを能天気に「好きな花」と言い切ることにどこかしら抵抗があって、あの気持は何だったでしょうか。
 
散り際儚いとされるイメージとか、あるいは「桜の木の下には屍体が埋まっている」と云う基次郎や、「桜の森の満開の下」に妖しい鬼女を見た安吾、或いは能の西行桜のものがたりを意識してのことだったのか・・・まぁ、若気の気取りというかつっぱりと云うかそんなところが真相だったかも。
 
それでも、この歳になると虚心坦懐に美しいと感じ、その美しさに重ねあわせて「ねかはくは 花のしたにて 春しなん そのきさらきの もちつきのころ」を衒いなく口誦する心もちにも・・・
 
 
ところで、藤飯治平先生が記念館に残された作品中にサクラを見つけることはできませんでした。庭の木々にもサクラはありません。いつの日にか、ふとしたことで先生のサクラ観に出会う機会があれば愉しいだろうと思いつつ、また来週!
 
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こちらは本日の付録! Yの住まいの近く、中之島は大川端、大阪市中央公会堂前の「今朝のサクラ」です・・・
 
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迎える春

こんにちは、Y館長です。
 
野上は今日も雨・・・・
 
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学校では終業式も終わり、迎える春への準備も本格化しています。
 
公立高等学校合格発表後の併願手続きを経て、平成26年度の新入生も、今頃は決定していることでしょう。
 
 
新学期が終わる頃には、藤飯治平記念館もファースト・アニバーサリーを迎えます。
 
いよいよこれまでに考えていることなどを形にする作業にかからねばなりません。
 
 
朝の通勤途上でも、フレッシャーたちが、大きいスーツケースを引きながら一団となってビジネス街を行き交う姿を目にします。新生活への慄きが、いっときでも早く、自信に変わればいいですね。
 
夜は夜で、送別会の流れでしょうか、ビジネスバッグの隅から零れる数輪の花束を供とした人が、交差点の角で或いは地下鉄への降り口で、見送る人たちと名残を惜しんでいる姿があちこちで見受けられます・・・・
 
皆、それぞれの生活のなかで、何かが始まる予感に包まれる春。
 
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いつもながらの私事でありますが、Yの孫のうち、ふたりがこの春小学校へ上がります。
 
 
生きとし生けるもの皆が、嬉しい気持ちになる春であればいいなぁ・・・
 
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春間近

こんにちは、Y館長です。
 
奈良東大寺の修二会も佳境のお水取り(お松明=おたいまつ)が始まり、春もすぐそこにの感が日々に深まります。
 
今日は、ここ野上も本降りの雨模様・・・
 
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くれなゐの二尺伸びたる薔薇の芽の針やはらかに春雨の降る 子規
 
 

先の高等学校に続き、今週は仁川学院の卒業ウイーク。
 
月曜日の仁川学院小学校、今日は生憎の雨ですが、仁川学院マリアの園幼稚園の卒園式。そして明日は仁川学院中学校・・・
 
送る春、様々な想いや感慨の交差点・・・願わくはすべての子らに幸多かれと祈りつつ、そしていざ、迎える春へ。
 
 
昨日は、神戸市灘区のとある施設へとおじゃまをさせていただきました。
 
用向きは、藤飯治平先生の回顧展開催に向けた第一歩・・・
 
遠くない時期に、その内容をお伝えできると思うのですが、2016年秋に、藤飯治平先生の画業の全貌をご紹介できる展覧会の開催を予定しています。
 
2016年は、藤飯治平先生の没後10年を過ぎ、学校法人仁川学院も創立60周年の節目を迎える年に当たります。
多くの皆さまに藤飯治平先生の真髄をお伝えできる催しにしたいと志は高く掲げておりますので楽しみにお待ちください。
また、その準備にあたっては藤飯治平先生に所縁(ゆかり)の多くの方々にご協力をいただくことと思いますが、その節は是非よろしくお願いします。
 
ところで藤飯治平記念館には、先生の蔵書も多く残されています。
 
先日、そんな先生の蔵書から、こんな本を手に取りました。
 
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ルネサンスのフィレンツェで、ときのトスカーナ大公メディチ家のコジモ一世に仕えた宮廷画家ポントルモが残した自筆の日記です。
 
この日記、たとえば政治や美術や、世相のあれこれを伝えようとする意志は皆無で、ただただ、ひたすら毎日の食事の内容と周囲の人へのつぶやきにも似た愚痴とか、まあ、そんなことだけを綴った、元祖ツイッターのようなもの・・・
 
少し前に(いや、もうずいぶん前かな?)話題になった「武士の家計簿」のイタリア版とでもいいましょうか・・・ちょっと違うか?な
 
それでもこれが無類に面白くて、中に頻繁に登場する料理があるのですが、名づけて「卵の魚」・・・
 
魚の卵、であればたらこやいくら、数の子キャビアにからすみといくらでも思い浮かびますが、こちらは「卵の魚」。
 
 
これなんやと思えば、オムレツのこと。
 
いやぁ、云われてみれば、あの流線型の菱型(?)って、まさにお魚の形ですよね。
 
16世紀のフィレンツェでは、このオムレツが三日に一度は食卓を賑わせていたようです。
 
で? いえ、この話はこれだけのことで・・・また来週!
 
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もも草の萌えいづる庭のかたはらの松の木陰に菜の花咲きぬ 子規
 
 
けど、この菜の花、「卵の魚」の付け合せに美味そう・・・
 
※短歌はいずれも子規の「庭前即景」十首から


異国情緒

こんにちは、Y館長です。
 
早くも3月の声を聞きました。
 
先週の金曜日は、仁川学院高等学校第50期生209名が卒業式に臨みました。
 
前日の雨模様から一転しての晴々とした日差しのなかで、多くの祝福を浴びながらそれぞれが目指すつぎのステージへと力強い一歩を踏み出したことと思います。
 
そんな巣立つ子らのひとりひとりに、仁川学院教職員が抱く想い・・・
 
 
◯◯△△を先生と呼ぶ子らがいて仁川学院高等学校
 
 
なんて、パクリで失礼しました!
 
本歌は、一世を風靡したので、ご存じの方も多いでしょうね、
 
 
万智ちゃんを先生と呼ぶ子らがいて神奈川県立橋本高校
 
 
そう、俵万智『サラダ記念日』の一首でした・・・
 
余談ですが、Yの出身高校も橋本高校。神奈川県立ではなく和歌山県立ですが・・・
 
 
先週の木曜日と土曜日、遠来(なんと中東から!!)のお客様を奈良・京都へとご案内する機会がありました。
 
あいにく両日とも雨模様でしたが、そぼ降る古都の趣きは、生粋のアラブの民にもなにがしかの感興を感じていただけたのではないでしょうか。
 
奈良は、斑鳩の法隆寺から東大寺、春日大社、京都では東寺、金閣寺、龍安寺、嵐山・・・
 
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ご案内できる時間に限りがあることとて隔靴掻痒の感は否めないのですが、それでも法隆寺では五重塔、金堂と巡っていただき、中宮寺では例の、アルカイックスマイルの典型とされる半跏思惟像(お寺では如意輪観世音菩薩と伝えているようですが、研究サイドの定説では時代から観て弥勒菩薩であろうと)とも、ゆっくり対面する時間が取れたことは、Yにも嬉しい事でした。
 
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京都の金閣寺や、龍安寺石庭は、Yにはひょっとして小学校の修学旅行以来ではなかったかいなぁ・・・と穴があったら入りたい心境を抱えながら、おのぼりさんで一緒に楽しませていただきました。
 
 
藤飯治平先生も、中東へはたびたび取材旅行で訪れたようです。
 
そのときの成果が、「バベルの塔」や「ソドムの町」、「大洪水」といった大作に結実したものでしょう。
 
その旅のいくらか(或いは全部かも)には奥様の月見さんも同行されたことでしょう。
 
藤飯治平先生とご結婚された後の月見さんは、画家として描く筆は折られたとお聞きしていますが(小さい子どもたちに教えてはおられました)、これはそんな月見さんが描き記念館に残された貴重な絵画・・・
 
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アラブの女性でしょうか、エキゾチックな中にも凛とした眼差しに強い意志が表現された素晴らしい作品だと思います。
 
「人物画は月見さんのほうがお上手やね」・・・そんな囁きが何処からか聞こえてくるような・・・・いえいえ、決してYが言ってるわけではありませんよ、ただ、そんな噂もちらほら・・・あれっ、天国で藤飯治平せんせ、くしゃみしてるかな?
 
 
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