野上日記

2014年6月

所縁・・・ゆかり

こんにちは、Y館長です。
 
週の初め、関東方面では雹や大雨がニュースとなっていましたが、ここ野上ではさしたることもなく、梅雨の晴れ間が続いています。
 
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ワールドカップは、日本には残念或いは無念な結果となったようですが、ナショナルチームが個々人の能力の総和として本来のパワーを発揮するというのは難しいものと、サッカーの門外漢であるYにもそう実感される試合だったように思います。
 
 
先日は、神戸のカルチャースクールで藤飯治平先生に絵を習っておられたお二人(Oさん、Sさんとおっしゃる女性です)が誘い合わせて記念館を訪れてくださいました。
 
十年近く、藤飯治平先生が亡くなる直前まで習っておられたそうで、展示作品を熱心にご覧くださいました。
 
すこしばかりお話をさせていただいたのですが、藤飯治平先生は「絵を巧く描きたい」というより、「絵を描きたいという情熱」を持ったひとに熱心に指導されていたとか・・・
 
また、スクールが終わった後はご一緒に食事をすることもあったと伺って、そんな寛いだ場での藤飯治平先生の素顔が窺われるエピソードなどをお聞かせいただく機会を、これはお二人に限らず、藤飯治平先生と所縁(ゆかり)のある皆さんそれぞれに作りたいものと考えています。
 
所縁(ゆかり)と云えば、4月24日付けの館長日記でご紹介した串本のY・Sさんから、七月中旬に記念館を訪ねてくださるとの嬉しいご連絡をいただきました。
 
記念館のファーストアニバーサリーに相応しいお客様、「治平さんと月やん」のことをいっぱい聴かせていただこうといまから心待ちにしています。
 
ほんとうに月日は早いもの、藤飯治平記念館の開館一周年もすぐそこまで・・・
 
思っていたこと思っていることの数分の一を手掛けるのに精一杯ですが、平成28年秋(予定)の回顧展に向けても、躍動する二年目でありたいものです。
 
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ところで、これまでもたびたび当日記に登場していただいている藤飯治平先生所縁のギャラリー プチフォルム のA社長から新しい展覧会のご案内をいただきました。
 
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佐賀を拠点に活躍されているアーティスト塚本猪一郎さんの、プチフォルムでは恒例となった展覧会・・・・
 
実は、塚本猪一郎先生と仁川学院にも大きな出会いと所縁(ゆかり)があるのですが、それは次回にでも・・・
 
その案内状にA社長が一句、書き添えてくれました・・・
 
蛍獲て少年の指碧なり  誓子
 
 
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H神父さま

こんにちは、Y館長です。
 
6月8日の早朝、H神父さまが天国に召されました。
 
H神父さまは、ローマで司祭の叙階(神父さまに任命されること)を受けられたのち’62年に、創立まもない学校法人仁川学院の事務局長として赴任され創設当初の困難な時期を乗り越えて、現在(いま)ある学院の礎を築いてくださいました。
 
また、帰天される其の日まで、東村山市のまりあ幼稚園長としてその使命に尽くされるとともに、私たち学校法人仁川学院の理事としても常に暖かい励ましを与えてくださいました。
 
Yの学校法人仁川学院在任中は、理事会のたびごとにお顔を合わせる機会があったのですが、その堂々とした体躯とともにいつも穏やかで、恰も子どもがはにかむような、あるいはアルカイク・スマイルの如きその表情を、まざまざと思い浮かべることができます。
 
一昨日、東京のカトリック赤羽教会で行われたご葬儀ミサ・告別式にはYも参列させていただき、永遠(とわ)のお別れをさせていただきました。
 
H神父さまをこの仁川学院藤飯治平記念館にお招きする機会はないままとなってしまいましたが、どうかこれからも、仁川学院が神様から与えられた使命を果たせますよう天国から見守っていてください。
 
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H神父さまは、先に書いたようにローマで司祭への叙階を受けられました。藤飯治平先生もローマを初めイタリア各地へ何度も取材で訪れています。
 
そんな旅の途上で描かれたスケッチブックの整理を進めていますが、ようやくその一部を手にとってご覧いただけるようになりました。
 
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といっても、スケッチブックの各葉をファイリングし架台に並べただけのやっつけ仕事ですが、それでも藤飯治平が捉えた異国の風景をリアルにご覧いたけるのではと思っています。
 
H神父さまはコンベンツァル聖フランシスコ修道会ですから聖地アッシジとは深い所縁(ゆかり)がおありですが、多くのスケッチの中から藤飯治平先生も見たアッシジ・・・
 
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今日は6月13日ですが、’92の同じ頃、ベネツィア行の際に描かれたスケッチブック・・・・
 
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※写真掲載上、画面をトリミングしています
 
 
ところで、Yには、H神父さまにまつわる個人的な逸話がありまして・・・・
 
実は、Y、これまでに何度もH神父さまと間違えられたという、なんとも畏れ多い経験が・・・・
 
最初はもう5年も前のことになるでしょうか、仁川学院で教鞭を取っていた旧職員の先生から、「H神父さま!」と声を掛けられた・・・
 
その後は学院や教会付近ですれ違いざまに、丁寧にご挨拶をされること幾度、一度ならず「まぁ、H神父さま、お変りなくお元気で!」と声を掛けていただくことも・・・
 
 
いつの日にかは、H神父さまの「徳」がYにも備わることを願いつつ・・・・また来週!
 
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衣がえと梅雨入り

こんにちは、Y館長です。
 
六月を迎えたばかりですが、ここ数日は「真夏の盛り」も裸足で逃げ出すような猛暑ですね・・・・
 
ここ野上でも、開け放った扉の網戸越しに、むせ返るような新芽の香りが匂ってきます。
 
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学校でも衣がえの季節・・・
 
脱ぐのは重い冬の上着だけではなく、四月から三ヶ月の学校生活を歴てそれぞれに自分自身の内で大きく育った「何か」の、既にいまの身の丈には合わなくなった、そんな旧いこころの衣かも知れません・・・
 
六月は、そんな衣がえと同時に、雨の季節でもあります。
 
昨日もニュースでは、九州地方の梅雨入りを伝えていました。
 
洋の東西を問わず人は皆雨が好き、というより雨の恵みを感じない人はいないということでしょうか・・・古今、雨を主題にした音楽や文芸作品はそのジャンルを限らず枚挙にいとまがありません。
 
それらのなかで最右翼を挙げるとすれば、さしづめ三好達治の「大阿蘇」でしょうか、教科書の大定番でもあるらしいのですが・・・
 
 
達治はこの長くはない詩の中で、「雨は蕭々と降っている」というフレーズを三度繰り返します・・・
 
雨にけぶる草千里で寄り合ってただいっしんに草をはむ馬・・・その静かな背に、「雨は蕭々と降っている」
 
 
達治は別格として、Yが若いころに聴いたり口ずさんだ歌にも、どこか忘れられずに今でもふとした機会に脳裏をよぎるものがあります。
 
もうすっかりお年を召したけれど小椋佳が70年代初めにリリースしたアルバムに収められた一曲「六月の雨」
 

六月の雨には六月の花咲く
花の姿は変わるけれど
変わらぬ心を誓いながら
いくつ春を数えても
いくつ秋を数えても
ふたりでいたい
 
いやぁ、Yのごとき庄司薫の「赤頭巾ちゃん」世代にはなんとも胸キュン・・・
 
そうそう、先年亡くなった大滝詠一には「雨のウエンズディ」というのもあった・・・
 

壊れかけたワーゲンの
ボンネットに腰掛けて
何か少し喋りなよ
静かすぎるから
海が見たいわって言い出したのは君の方さ
降る雨は菫色Tシャツも濡れたまま
 
これにもワーゲンが登場するのですが、赤頭巾ちゃんに登場するのもたしか黄色いワーゲンだった・・・
 
 
と、昔語りは尽きないのですが、記念館ではまもなく開館一周年を迎えます。
それに向けて、残された多くのスケッチブック、ドローイングブック、そして写真の整理に取り掛かりました。
どのような形でご覧いただけるのか、まだまだ茫洋としていますが、楽しみにお待ちください。
 
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来週はも少し、前向き!?はお話ができればと思いつつ・・・(無理かなぁ、歳やからなぁ)
 
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