野上日記

芸談・・・芸術の秋

こんにちは、Y館長です。
 
秋もすっかりたけなわで、来週はもう「文化の日」・・・
 
文化の日と云えば、皇居での文化勲章親授式が当日のTVニュースを賑わせますね。
 
先週金曜日には今年に受賞される方々の発表もありました。
 
三人の同時受賞で国中が沸き返ったノーベル物理学賞の中村先生と天野先生。赤崎先生はすでに2011年に受賞されています。
 
その他に各界で業績を残された五名の方々が受賞されたのですが、関西在住のYにとってひときわ印象的なのが文楽太夫である竹本住大夫師・・・
 
この春、惜しまれつつ現役を引退されましたが、Yもそれに先立つ新春公演を国立文楽劇場で観させていただきました。
 
演目は「近頃河原の達引(ちかごろかわらのたてひき)」堀川猿回しの段、登場人物のこころうちを様々に語り分け単に泣かせるだけではないその至芸をこころから堪能させていただきました。
 
で、ここからはいきなりYの極私的なお話になるのですが、実はその受賞者発表の翌日、先の土曜日に某所でその住大夫師とお目にかかる機会があり、お目にかかるばかりか小一時間、その芸談を直接お伺いする幸せに預りました!
 
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そのときに、「いやぁ、もうこないに歳とってからに、写真は嫌いでんな」と仰るのをここで挫けてなるかと、Yも気合を入れて無理矢理撮らせていただいた・・・
 
そのうえ、この写真のシャッターを押してくれたのが、師の介添えとして付いておられた文字久大夫師!
 
新春公演では、住大夫師の前の四条河原の段を語っておられました。
 
そんな畏れ多い現場で厚かましくお話を伺ったのですが、「芸に完成はない、毎日が勉強、挑戦」という表現者としての姿勢と、陽の当たらない場所で支えている方たちへ感謝し労い気遣われるその姿に、多くのことを感じさせていただいた至福の時間でした。
 
と同時に、仁川学院名誉学院長である園田神父から常々聞かされた「教育が担う人格の完成に終わりはない」という使命感に改めて思いを新たにすることでもありました。
 
写真の右は、その席にご一緒におられた関西浪曲界の重鎮でいらっしゃる京山小圓嬢師。
 
小圓嬢師からも芸歴七十年のうえに培われた含蓄あふれる様々なお話をお伺いし、Yにはなんとも豊穣な芸術の秋を堪能させていただいた得難い時間でありました。
 
そうそう、写真はトリミングで住大夫師と小圓嬢師ですが、Yもしっかり小圓嬢師のおとなりで写ってますので念のため・・・・!
 
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