野上日記
聖フランシスコの祝日に・・・
こんにちは、Y館長です。
10月の第一週、学院の行事のために二日間の臨時休館をいただきました。
学校法人仁川学院の運営母体は、アッシジの聖フランシスコを師父とするコンベンツァル聖フランシスコ修道会です。
そのため仁川学院では、カトリック教会においてアッシジの聖フランシスコの祝日とされる10月4日を創立記念日と定め、毎年、その創立を祝う式典を挙行しています。
今年は、カレンダーの都合で10月第一週の週末に開催される仁川学院中学・高等学校の学院祭が10月5日となるため、その準備の都合上、10月3日に創立記念式典が行われました。
そこで翌日の4日も、記念館を臨時休館とさせていただき、アッシジの聖フランシスコの祝日当日に、記念館開設にあたって大きなご尽力をいただいた所縁(ゆかり)の方々を記念館にお招きして、ひととき藤飯治平先生を偲ぶ時間を持たせていただきました。
懐かしい思い出話や、藤飯先生ご夫妻の愉しいエピソードなど、盛り沢山のお話をお伺いし、名誉学院長、学院長をはじめ学院関係者一同、改めて有意義な時間をいただけたことに感謝しています。
その折のお話あれこれは、いずれこのブログでも綴らせていただく機会もあるかと思いますのでどうぞお楽しみに・・・・
そのお招きした所縁の方が、藤飯治平先生の大切なものを記念館に託してくださいました。
藤飯治平先生が、最後の入院をされた後の、アトリエの画板に残されていた水彩画・・・
その年の春、先生はフィレンツェへ取材旅行をされていて、そのときの印象の一コマでもあったのでしょうか・・・
その旅から帰国して5月に入院されるまでの間に十数点の水彩画を描かれたそうですが、これはその最後の一枚。
そんな経緯からすれば先生の絶筆である可能性が高いのですが、これを見たYは、すぐにサロンに掛かる一枚の油彩の小品を思いました。
(1992年 街頭の八百屋 油彩 3号)
こちらは、花屋さんではなく八百屋さんの店先ですが、品定めに佇む女性・・・
青い上着と黒いスカート・・・・
十数年を経て描かれた、花屋の店先で佇む女性と同じ女性(ひと)?
筆を取る画家を過ぎった思いは、はたしてどのような思いであったのでしょうか・・・
Yには、この最後の一枚を描かれた時、藤飯治平先生は既にご自身のご病気について、確かなところを十分知っておられたような気がしてなりません。
もちろんそれは、Yの感傷に過ぎないのかも知れませんが、画面からはしっかり藤飯治平のたましいの物語が聞こえてくるようで・・・・
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ところで、先週の数日間、吹く秋風に任せてアトリエの扉を開け放っていたのですが、気がつくと庭に面した網戸に一匹の蜻蛉が・・・
Yの貧弱な博物知識では、蜻蛉の種類も判然としませんが、透明な羽に凛とした気配を感じて、そっと手のひらで網戸の外に放ってやりました。
蜻蛉は、しばし石畳の上に羽を休めると、秋風にもまれるように空中へと飛び去りました。
というところで、また来週!