野上日記
ジャンヌ・モローとお千代ちゃん
こんにちは、Y館長です。
フランスの女優・歌手であるジャンヌ・モローのLPレコードです。
ジャケットの記載によれば、‘64年のフランスレコード大賞を受賞したアルバムだとか・・・
ジャンヌ・モローと聞けば、Yには、たちどころにモーリス・ロネと共演した「死刑台のエレベーター」でのフロランス役を思い出します。
米国のジャズ・トランペッター、マイルス・デイヴィスがラッシュ・フィルム(撮影されたフィルムを現像したままの未編集フィルム)を見ながら即興で演奏したというトランペットをバックに、夜のシャンゼリゼを彷徨うフロランス・・・・
出演者の誰もがクールに抑えた演技で、モノクロームの美しさが際立つ素晴らしい映画でした。そうそう、脇役のシェリエ警部役のリノ・ヴァンチェラもよかったなぁ~
モーリス・ロネもYお気に入りの男優です。ドロンと共演した「太陽がいっぱい」、これもタイトルを聞くだけであのテーマ曲のイントロが頭のなかで蘇ります。あとは、「鬼火」とか・・・
実はこのレコード、藤飯治平記念館を仁川学院が引き継いだ際に、ただ一枚、アトリエに残されていたLPレコードなのです。
国内盤(海外のレコードを、版権を取得した日本のレコード会社が国内向けに制作した盤)ではなく、フランスで制作されたオリジナル盤で、ジャケットの裏には105フランの値札が貼らています。
藤飯先生がパリ大学美術考古学研究所に留学されたのが‘67年ですから、おそらく藤飯先生が、パリで買い求められたものでしょうか、そう想像すれば、単なるジャンヌ・モローのレコードという以上の感興が湧いてきて、ぜひ聴いてみたいとの思いが募りますね。
さてこちら、先日、亡くなられた昭和を代表する国民的な歌謡歌手である島倉千代子さんのLPレコード。
さきほどのモローのレコードは直径30センチの所謂12インチ盤。こちらは直径25センチの10インチ盤で、‘58年の発売です。デビュー曲である「この世の花」を筆頭に8曲が収録されたアルバム。
これは藤飯治平先生とはなんの所縁(ゆかり)もなく、歌謡曲好きのYが大切に持っている一枚。島倉千代子さんが亡くなられたあと、S官房長官が「実は大ファンで・・・」と記者会見で追悼したそうですが、Yにとっても、実は(ともったいぶるほどのことはないのですが)、テレビ画面を通してさえまったく天真爛漫な人柄と思える雰囲気が伝わってきて、大好きな歌い手さんの一人でありました。
嗚呼、また昭和は遠くなりにけるかも・・・ありゃ! LPレコードつながりということで、ちょっとY流に感慨にふけってしまいました。
藤飯治平記念館では、サロンのBGM替わりとして、NHK―FM放送を、学院から持ち込んだCDラジカセで流しているのですが、アトリエにレコードを聴く環境が整えられれば、何かできそうかな、などと考えていますが、さて・・・
今日の一輪はこちら・・・藤飯治平記念館敷地の側溝脇にそっと咲いていた、モローやお千代ちゃんを偲ばせる可憐な花をA職員が摘んできてくれました。