野上日記

満開・・・・開花便り-承前-

こんにちは、Y館長です。
 
いよいよ四月、新年度を迎えました。
 
もちろんカレンダー上は1日からそれはそうなのですが、学校の新年度は、やっぱり新入生の緊張した面持ちや終業式から数日を経ぬ間にもいっそう成長した在校生の面差しを迎えて、はじめて始まる気がします。
 
さてここ野上にも着実に春の足音・・・・
今朝は、記念館を取り巻く石垣の割れ目に小さな蜥蜴の姿を見、いままた、これを書きつつふと眺める庭先にこの春はじめてのモンシロチョウ♪♪♪

 
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前回、開花をお伝えした校地内のサクラ、今朝はこんな塩梅にいまを盛りと咲き誇るかな・・・
 
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前回はまだつぼみだけだった園庭のサクラもまことに愛らしく咲いていました。
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朝の日差しに輝く薄桜色の花々は、希望を満々と孕んだ未来への明るい予兆に観る者の期待を膨らませてくれますが、さて、夜も更けた頃合いともなると今度は一転、どこまでも狂おしく人の奥深くに巣食う情念を掻き立てる・・・
 
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これは、Yの住まいからほど近い東横堀川の堰近くの夜桜風景・・・
 
昨夜は冷たい風もなく常ならぬ情動に急かされるように足を運んでみました。
 
古(いにしえ)の歌人がそこに両腕を拡げいまにも掴みかからぬばかりの「モノノケ」の姿を見たサクラはこうでもあったでしょうか・・・
 
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あくがるる心はさても山桜 ちりなむ後や身にかへるべき
風さそふ花の行方は知らねども 惜しむ心は身にとまりけり
花見ればそのいはれとはなけれども 心のうちぞ苦しかりける
春ごとの花に心をなぐさめて 六十路あまりの年を経にける
 
我れに西行の詩才なく、ただ己が貧才を恥じるばかりですが、六十路を経れば、たとい西行ほどの感慨はなくとも、また如何な凡庸なるYでさえも哀感を忍ぶ時節に出会うもの・・・かな
 
そうそう、こんな句もありましたね。
 
さまざまの こと思ひ出す 桜かな   芭蕉
 
 
あれっ? 新年度早々からちょっと思わぬ方へと向かう筆の運び、さてや「満開の桜」に棲む「物の怪」の為せるワザ・・・・かなっ?
 
次回は校庭に響く子どもらの息吹を感じながらお目にかかりましょう、ということでまた来週!
 
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