野上日記

仲をとりもつ・・・

こんにちは、Y館長です。
 
梅雨も開けた野上では、いよいよ迎える夏本番の気配がいっそ濃くなり、学院では明日からすべての学校で夏休みに入ります。
 
 

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この本は南紀を代表する民謡「串本節」にまつわる様々な資料を後世に伝えるべく地元の公民館が編纂した、想いあふれる一冊です。
表紙に「祝成人」とあるように串本町では成人式の引出物として配られているらしい・・・・
 
奥付をみても定価の表記がないので、非売品であるらしい・・・
平成元年七月発行、平成十一年七月増刷とある・・・
 
何故、そんな一冊がこの仁川学院藤飯治平記念館に? そう、この日記をご愛読(?)いただいている勘の良い皆さんはもうおわかりですよね!
 
先週、はるばる串本からご来館くださったY・Sさん・・・藤飯治平先生の奥さんである月美さんを「いちばん好き」と慕っておられたことは、いつぞやのブログでご紹介させていただきました。
 
息子さんご夫婦とともに訪ねてくれたY・Sさんは、数十年前、夏休みのたびにちいさな姉妹だけで、串本から列車を乗り継いで訪ねてきたこの想い出の「お家(うち)」が記念館として残っていることをホントに喜んでくださいました。
 
その際にお土産としてくださったのがこれだったのです。
 
そう、勘の良い皆さんは、えっ、それだけ? 何かエピソードがあるんでしょ? とご推察のとおり、もちろん、ただ串本の民謡が紹介されている本だから、というだけではありません・・・
 
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この本には、串本節にまつわる代表的なお土産品も紹介されていて、このページでは「人形」と「のれん」「手ぬぐい」が紹介されています。
 
地元で化粧品店を営む「すずや」さんが手作りをしているのだとか・・・そしてその「すずや」のご主人が月美さんの従姉妹で、「すずや」の娘さんがY・Sさんというわけ。Y・Sさんは一旦は地元を離れたのですが、いまは帰ってこられてそのお店を継いでおられるご様子・・・
 
そしてお話は人形からそのとなりの「のれん」「手ぬぐい」へ・・・
 
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なになに?・・のれん、手ぬぐいは、親戚の画家で兵庫教育大助教授の藤飯治平さん(宝塚市在住)がデザインしたもので、手軽な土産物として観光客に人気がある・・・・
 
Y・Sさんは、その実物も記念館にお持ち下さいました。藤飯治平デザインの串本みやげの定番!
 
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お聞きしたところこの「のれん」はお店に残る最後の一枚なのだとか・・・串本潮岬も観光の様相が変わって、サーフィンやダイビングといった体験を求めて訪れるひとが多く、こういう「みやげもの」は売れなくなりましたと寂しそうに話してくれました・・・
 
Yの若い頃、土産物の定番といえばこけし人形にペナントが真っ先に思い浮かぶのですが、この「のれん」は実用としてののれんではなく、云わばそのペナントの如きもの・・・どこに云ってもご当地キティーちゃんは溢れていますが、ほんとうのその土地のサムシングを伝えてくれるお土産品はもう望むべくもないのでしょうか・・・
 
 
そのとき見ていただいたものにこんなものも・・・
 
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ちいさかったY・Sさんんが、憧れた月美おばさんの麗姿・・・
 
そんな麗しいお嬢さんに一目惚れ(かどうかは聞いてませんが?!)した藤飯治平先生が旅先の阿蘇の宿から送った・・・恋文?
 
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というわけで、Y・Sさん、ありがとうございました。その後はお子さんたちとの水入らずの旅を愉しまれたことと思います。
 
次回は、ぜひご姉妹の皆さんもご一緒にお越しください。こころからお待ちしています。
 
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