新入生オリエンテーション2日目は,比叡山延暦寺での修行体験です。
前日の雨模様とは打って変わって,三塔巡拝日和の快晴の朝を迎えました。
朝は中尾先生の『朝の心の時間』で始まりました。
”ありがとう”の語源は”有り難し”=当たり前ではないといいことから,誰かに何かをしてもらうのは当たり前ではない,今日も誰かの助けがあって生きていることに感謝をして
”ありがとう”をちゃんと言える人になりましょうというお話からスタートしました。
美味しい朝食のあとは,比叡山延暦寺での修行体験です。
バスに乗って曲がりくねった山道を進んでいくと,延暦寺会館に到着しました。
延暦寺会館の前で整列し,お坊さんを待つ間,誰一人として話すことなく,鳥のさえずりだけが聞こえる,そんな空間で,生徒たちが緊張した面持ちでこれから始まる修行体験に備える姿が印象的でした。
まず入り口で開講式を行いました。
「千年続く修行の道を,皆さんに体験してもらいます。一生懸命やってください。」とのお言葉をいただき,全員が一段と背筋が伸び,引き締まった表情になっていました。
比叡山延暦寺での講話では,これから始まる修行体験について,一つひとつどんな意味があって,どういったところに気を付けて取り組むべきかをお話してくださいました。
特に,食事作法については,『食事をいただくということは命をいただくということ』ということを中心に,どのような作法で有り難い命をいただくのかお教えくださいました。
写真撮影の後は,いよいよ昼食です。先ほど習った作法を守っての食事を体験しました。
食事後は,三塔巡拝に出発しました。お坊さんが回峰行で使う道を無言で歩く修行体験は生徒たちにとって,自らと向き合い,自分の度量を知る良い機会となったようです。
約2時間の三塔巡拝ののち,琵琶湖グランドホテルに帰ってきてから,今日の貴重な体験について振り返りました。生徒たちの心にはどんな教えが響いたのでしょうか。
入浴・夕食後は各クラスに分かれてHRを行いました。クラスメイトと今日の振り返りを行ったり,クラス目標を決めたり,それぞれのクラスで思い思いの時間を過ごしました。
本日最後のプログラムである中村先生の『夜の心の時間』では,修行体験をさせていただいた延暦寺会館の皆さんが伝えたかった思いについて考えました。
食事作法も三塔巡拝も,一般の人からすればとても厳しいものでしたが,それぞれに意味のあるものでした。
今日出会った比叡山延暦寺の方々は,1000年以上大事にされてきたその文化を知り,敬い,尊んで,胸に刻んでほしいという思いで,厳しく教えてくださったのだと振り返りました。
延暦寺だけではなく,世界にはさまざまな文化をもつ人々がいて,世の中が成り立っています。
お互いに分かり合うために,話し合うことはもちろん,学校での勉強をしっかりして,互いの価値観や考えを理解し合える度量を育てるきっかけにしてほしいと思います。
慣れない体験で体調を崩し気味の生徒もいますが,総じて合宿の2日目を無事に終えることが出来ました。
明日は,オリエンテーション最終日です。この合宿期間ではたくさんHRの時間を設け,クラスメイトと話し合いを重ね,どんなクラスにしたいか考えてきました。その集大成としてのクラス目標発表を行います。
HRや今日の修行体験を経て,生徒たちの心にどんな思いが生まれたのでしょうか。明日の発表を楽しみにしたいと思います。