後団(3・4・6・7組)の3日目です。
宿泊研修3日目の朝は,坐禅止観体験からスタートです。
昨日までの青空と打って変わっての小雨模様です。あたりに霧が立ち込めていて,比叡山の荘厳な雰囲気をより感じる風景が広がっています。
まだ夜が明けきらない時間に起床,集合し,昨日入館式を行った根本中堂へ向かいます。生徒たちはまだ目が覚めきっていないからか,緊張しているからか,いつもより静かに歩いて行きました。
根本中堂に入ると,昨日並べた座布団にそれぞれ座り,お坊さんの指導のもと,ストレッチをして体をほぐしてから坐禅を始めます。
指導するお坊さん以外誰一人として動かない無音の空間で,生徒たちは懸命に集中して取り組んでいました。が,やはり初めてのことなので上手くはいきません。少しずつ少しずつ体が揺れ始めます。警策の音がお堂に響き渡ります。約30分間の坐禅止観の体験後,指導してくださったお坊さんが『落ち着かない心で何かをしようとしても上手くは行かない。これからの生活で何かに気を取られて集中できない時,この修行体験を思い出してほしい。』と,この貴重な経験を日常に活かすヒントを授けてくださいました。これからの人生で活かしてほしいです。
法話をお聞きしたのち,朝食で食事作法体験です。
『音が鳴るのは何故なのか,鳴らないためにはどうすれば良いか。
ゆっくりすれば音は鳴りにくいが時間がかかる。早くするにはどうすれば良いか。』
このお坊さんの問いかけは生徒たちの日常にも役に立つものです。自分が達成したいことができるようになるためには,どうすればいいのか『考える・工夫する』ことが大事だと。今後の生活にこの経験を活かしてほしいです。
朝食の後は,仏教やお経・経典の発祥,般若心経に関する法話をきかせていただきました。身近にある仏教について,詳しくわかりやすく教えていただきました。特に,『空』の思想,この世の物質や生きる中で感じた感情はすべて実体がなく,執着しても仕方のないことだから,変わるものではなく変わらない本質に目を向けよう,という考え方は,今後に活かせるのではないかと思います。本質を見抜いて,変化に振り回されないで過ごしてほしいと思いました。
講和の後は各クラス記念撮影,根本中堂の改修工事の見学,東塔エリアの散策です。根本中堂では2016年から平成の大改修が行われており,今は修学ステージから屋根の葺き替えを間近で見学することができます。今朝までは,ただただ緊張して過ごした根本中堂ですが,その建物の改修の様子を少しリラックスした様子で見学することができました。散策では,思い思いの時間を過ごせました。
昼食には美味しい精進料理をいただきました。退所式では一日お世話になった比叡山の皆様にお礼の言葉を述べました。『皆さんは,ご縁があってこの比叡山に来ました。ここでの経験を日常に活かしてください。またご縁がありましたら比叡山に来てください。』とのお言葉をいただきました。
午後からはカトリック大津教会に到着してお話を聞きました。
ステンドグラスとタイルの細工がとても綺麗な教会で,生徒たちは中に満ちた神聖な空気を感じて,自然と静かになっていました。主任神父様,そして校長先生のお話を集中して聞いていました。最後に三日間の締めくくりの感想を仁川ライフにまとめました。
16時30分ごろに学校に到着しました。最後に各教室で3日間の振り返りをして宿泊研修は終了しました。この3日間の研修で得られたことやクラスメイトとの絆が今後の学校生活に活かされることを楽しみにしています。
月曜日,3日間の疲れを十分に取り,元気な姿で登校してくれることを願っています。
保護者の皆様,宿泊研修に際してご理解とご協力をいただき,ありがとうございました。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。