仁川学院中学校の日本語の授業では「コミュニケーション学」を実践。今日は、中学1年生で、アカデミアコース・カルティベーションコース合同の授業を行いました。
まず、なぜコミュニケーション学に取り組むのか、その意味を知るところから……。
学内の授業や行事で、一つのことを成し遂げようとするには、コミュニケーションは欠かせません。また、企業が社員に求める力の第1位は、コミュニケーション力というアンケート結果もあります。つまり、学校を卒業し、社会に出てからも、コミュニケーション力は必要とされています。
今日は、「ノンバーバルコミュニケーション」のワークショップです。
みんな目を閉じて手で視界を隠します。この間に、教員がおでこに色のついたシールを貼ります。
自分に何色のシールが貼られたかはわかりません。
そこで、指令が出されます。例えば、「赤のシールの人は、青と白のシールの人とつなげます」「青のシールの人は、赤と緑のシールの人とつなげます」などなど。
この指令どおりに手をつないで、ひとつにつながることがゴールです。制限時間は10分間。
ただし、条件があります。「一切しゃべらないこと」「口パクで伝えないこと」「色がわかるものを指さしたりしないこと」
いよいよ活動開始。みんな戸惑いながら、身ぶり・手ぶり、アイコンタクトなど、いろんな工夫を試しながら、つながっていきます。
ノンバーバルコミュニケーションとは、言葉に頼らないコミュニケーションのこと。実は、他者から受け取る情報のうち、言葉から受け取るものは10%未満という実験データがあります。50%以上は表情から情報を受け取っているそうです。
言葉に頼らない方法は人それぞれ。うまくつながっていないところに気づいた人が手招きをしたり、手を引っ張って誘導したり……。
活動の後は、ふり返りです。
今回の活動では、いろんな方法でコミュニケーションを取ろうとする姿が見られました。
人にはそれぞれバックボーン(背景)があり、自分の経験で知ったことにより、判断して行動をします。つまり、自分と他者とは、考え方や行動が違ってきます。
ですから、コミュニケーションをとるうえで大切なのは、相手の立場・環境を受け入れようとする姿勢を持つことです。
これからも、全学年で、日本語の授業として定期的にコミュニケーション学を実践し、H.R.や学校行事の活動に生かせるように願っています。